茨城県のメロン収穫量は全国トップ。
栽培が最も難しい作物と言われていますが、旭村はメロン栽培に適した条件を持ち、半世紀にわたる生産性の努力によって品質の良いメロンを作り出してきました。

全国トップを支える旭メロン

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JA茨城旭村 メロン部会
部会長 長州 道豊さん

旭メロンは「オトメメロン」から出荷が始まり、「クインシーメロン」「アンデスメロン」と続いて出荷されます。メロンの収穫量は茨城県は全国トップです。その中でも主力となるJA茨城旭村のメロン部会は、50周年を迎えたそうです。

昭和30年代終わり頃から始まったとされる旭村のメロン栽培。「水はけの良さ」「昼夜の気温差が大きいこと」が栽培に必要な条件なのだそうです。この地域は、関東ローム層の水はけの良い土壌で、5月でも昼夜の平均気温差が10℃程あり、さらに日照時間が長いこともメロン栽培には大変適しています。このような好条件を活かし、半世紀にわたる生産者の努力によって品質の良いメロンを栽培してきました。

生産者数は最盛期には400名で、現在は約半数に減ったものの、全国トップを守り抜き、味も品質も認められています。

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メロン栽培の難しさ

部会員数が減っている理由の一つとして、野菜栽培に転向していく農家が多いことが挙げられます。昔は"でんぷんいも"や"むぎ"など、栽培する作物は全体的に重労働でした。メロンも同様に重労働ですが、大きな収入につながるため作付が増えていったのでしょう。しかし、現在は栽培期間も長く外出もままならないほどに徹底した管理が必要なメロンよりも、安定した収入が期待できる野菜栽培に転向する農家が増えているようです。

メロンは最も難しい作物の一つとも言われています。10月から土壌作りが始まり、12月中旬頃に苗を植えます。そして収穫までの期間は、毎日の換気や室温の調整など、その時その時の様子ですぐに対応しなければなりません。目を離すことができず、神経も使うのです。

それでも長洲さんが栽培を続けるのは、「自分の思い通りにできた時のワクワク感が良い」からだそうです。イメージしながら苗を植えても、思い通りにはならないのがメロンです。さらに、「気候など、条件が毎年変わるのは当たり前、それをカバーして良いものを作るのがプロ。」ともおっしゃっていました。

そんな自分に厳しい長洲さんは、部会の存在も大切に思っているようです。「例えば2人で今年の出来具合や反省を話し合えば、2年分経験したことになる。それができるのは部会があるから。」と、話してくれました。切磋琢磨し合って情報交換していくことで、旭メロンの品質は高められています。

生産者の顔が見えるメロン

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JA茨城旭村では、平成16年より選果場に光センサーを導入しました。目視による外観の選果に加え、一つ一つ、光センサーによって糖度や熟度を測定できるようになったのです。確実な品質のメロンを出荷することが実現し、2011年より、糖度16度以上の"特秀"ランクより上の糖度18度以上のメロンから選りすぐった希少な"プレミアムメロン"も販売することができるようになりました。

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さらにもう一つ、トレーサビリティシステムも導入したことで、生産履歴情報を見ることができます。メロン一つ一つにQRコードが貼られ、携帯電話でQRコードを読み取りサイトに接続し、メロンを作った生産者、品種名、糖度、規格、収穫・検査日付などの情報をすべて知ることができます。(うまいもんどころHPより

旭メロンのブランド化の実現と同時に、消費者は美味しいメロンを安心して購入できるようになりました。

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旭メロンは、「JA茨城旭村特産物直売所 サングリーン旭」などでお買い求めいただけます。贈答品としても人気の高いメロンですが、ご家庭でもぜひ、お召し上がりください。

取材協力

JA茨城旭村 営農情報支援センター

〒311-1415 茨城県鉾田市造谷1377-1

TEL :
0291-37-1661
FAX :
0291-37-1663
WEB :
http://www.ja-ibarakiasahi.or.jp/

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