夏ねぎの中で、出始めから6月までのものが"初夏ねぎ"と呼ばれます。
JA岩井の初夏ねぎは茨城県青果物銘柄産地に指定され、北は札幌から南は神戸まで出荷しております。新しい風を呼び込む工夫を行い、地域の活性化や食育にも貢献しています。

全国有数の"初夏ねぎ"産地

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JA岩井 園芸部 七重支部
副支部長 風見昭一さん

4月中旬頃から9月頃に出荷されるJA岩井の夏ねぎは、出荷量全国一を誇ります。夏ねぎの中で、特に出始めから6月までのものが"初夏ねぎ"と呼ばれます。

JA岩井の初夏ねぎは、緑と白のコントラストが綺麗です。このコントラストがくっきりと出ている方が美味しく良いねぎなのだそうです。茨城県青果物銘柄産地に指定され、北は札幌から南は神戸まで出荷しており、特に京浜市場向けの出荷量が最も多くなっています。
JA岩井が位置する坂東市は、平坦な地形と年間を通して比較的温暖で適度な湿度もあり、洪積層であることから農業機械が使い易いという特徴があります。さらに霞ヶ浦用水の整備により、栽培に適した条件が揃っています。東京から50km圏内にあり、市場には欠かせない産地なのです。

そのような中でJA岩井は、収益性と労力のバランスを考え、ねぎとレタスに特化しています。ねぎは、栽培期間の大変長い作物ですが、計画的に収穫できるという特性が生産者にとって大きなメリットになります。

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JA岩井と生産者の絆

JA岩井では、7地区の支部で岩井農協園芸部を組織しており、427名の部会員がいます。その中で、風見さんが所属する七重支部は昨年50周年を迎えました。ご自身も、ねぎを40年作っているそうです。風見さんの話からは、JA岩井と生産者が志を一つにしている様子が伺えました。

元々、JA岩井では人事異動が少なく、職員と農家が何十年も関わることもあるそうです。職員は産地や生産者の理解を深め、自然と強い絆が生まれます。信頼関係があるからこそ、生産者はJAの方針を信じ、安心して生産に取り組めます。

風見さんは、土壌作りには有機質をふんだんに使用するそうですが、部会でまとめて購入することで費用を抑えることができます。また、養豚業者から豚糞を手に入れるなど、JAの強みを活かすことは生産者にとっても重要なことです。 高品質のねぎを安定して多く出荷することで市場から高い信頼を得ることができ、その結果、生産者の生活も安定します。

常に新しい風を呼び込む工夫を

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JA岩井では、戦隊ヒーローをモチーフとした「未来Farmerネッキーマン」を誕生させました。市場での試食会などに積極的に登場し、宣伝活動を行っています。 岩井のねぎを強く印象付ける画期的なアイデアです。

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ネッキーマンは、未来の農作業アンドロイドという設定で、後継者不足に悩む農業をアンドロイドに託す時代の到来を想定し「究極の担い手」としてアイデアを出したそうです。子どもの関心を引く姿にし、ネギ嫌いな子どもを減らしたいという狙いもあったようです。
平成25年に坂東市で開かれた「全国ネギサミット」でデビューし、注目を集めました。
握手会や写真撮影など、子どもたちの人気も集めたそうです。(農業いばらきより引用

企画したのは吉岡和久営農課長、そしてネッキーマンに扮するのもJAの職員です。
そんな新しいアイデアを形にしていく岩井では、若手の生産者もどんどん増えているそうです。会社員を辞めて農家に転身する30~40代の方も多いそうで、地域の農業の活気や生産者の安定した暮らしを目の当たりにしているからこそです。
新しい風を呼び込む工夫は、新しい時代を担う世代を動かす原動力になっています。
未来Farmerネッキーマンの情報はこちら

明るい未来を描く産地

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風見さんは、「先輩の背中をみながらやってきて、何世代もねぎ栽培のリレーをしてきた。今は技術も設備もある。売ることはJAを信頼して任せてねぎ作りに専念している」と言います。築き上げたものを引き継ぐ若手がいることも大きなやりがいになっているようです。

JA岩井は、生産者と消費者をつなぐ役割を果たし、農業によって地域を活性化させることに成功しています。食農教育も積極的に行っているので、農業に関心を持ち、将来ねぎ栽培を担ってくれる子どもたちもいるに違いありません。これからもリレーを続けていける、明るい未来が見えるようです。

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取材協力

JA岩井農業協同組合

〒306-0641 茨城県坂東市鵠戸428-15

TEL :
0297-35-8338
FAX :
0297-35-7202
WEB :
http://www.ja-iwai.jp/

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