八千代町は肥土(あくと)と呼ばれる鬼怒川の肥沃な土と温暖な気候に恵まれ、栽培された梨はすべて「あくとなし」というブランド名で販売されています。JA常総ひかり八千代地区梨部会では、有機質主体の肥料を使用するなど環境に優しい農業を積極的に行っています。

肥沃な大地が育んだ梨の一大産地

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JA常総ひかり 八千代地区梨部会
部会長 草間 勝美さんと奥様

八千代町は、茨城県の南西部に位置し、肥土(あくと)と呼ばれる鬼怒川の肥沃な土と、温暖な気候に恵まれた梨の一大産地です。
八千代町での梨栽培の歴史は古く、1857年(安政4年)頃に栽培が開始されました。

JA常総ひかり 八千代地区梨部会は、昭和55年に設立、平成4年に県の青果物銘柄産地の指定を受けました。生産者全員が土壌診断を実施し、有機質主体の肥料を使用するなど環境に優しい農業を積極的に行っています。

八千代で栽培された梨はすべて「あくとなし」というブランド名で販売されています。あくとなしは、糖度13度以上の上品な甘さと瑞々しい果肉が特徴の大玉の梨です。7月から10月まで京浜市場などへ向けて出荷しています。
今年は長い梅雨の影響で出荷時期が例年より数日遅れましたが、ハウス栽培は6月下旬から、露地栽培は7月29日に出荷がはじまりました。市場関係者の間では「あくとなし」の品質の良さは知られていますが、消費者へ向けても、生産者と関係機関が一体となり、量販店での試食や市場でのPRを行うなど知名度向上につとめています。

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美味しい梨を長い期間お届けするための
ハウス栽培

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草間さんは、代々梨栽培に携わってきた梨
一筋30年のベテランで、八千代地区梨部会の部会長を勤めています。
広大な圃場で"幸水""豊水""あきづき""新高"を栽培しており、今年から茨城県独自の品種"恵水(けいすい)"の試作栽培も始められたそうです。「丸い綺麗な形にすることが難しいんだ」とおっしゃっていました。
栽培過程で得たデータや収穫した果実の出来を部会で検討し、将来は地区全体での恵水の栽培を行いたいと意欲を話してくれました。

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また、八千代ハウス梨研究会の会長でもあります。最近まで八千代町でハウス栽培を行っている方は草間さんお一人でしたが、現在は新たに1名が加わり、会員が2名に増えました。

長い期間消費者に梨を楽しんでもらえるように、ハウス栽培にも力をいれているそうです。八千代のハウス梨は大きく品質の高いものが多く、市場で好評とのことです。
品質を高めるために、圃場の堆肥にキノコの菌床をほぐした有機質の高い肥料を多めに使用したりと日々こだわりと工夫を行っています。

すべての梨の品質を厳しくチェック

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果実の半分が赤く色づき、表面の斑点が滑らかになったときが、収穫の目安です。
収穫した果実を耳元に持っていき、表面を指で弾いて音を確かめます。これは梨の内部が病気にかかっていないかを確認する作業です。「コンコン」と張りのある良い音がすると熟した元気な梨で、反対に低い音がすると病気にかかっていることがわかるそうです。収穫時と選果場の二回で、すべての梨にこの作業を行い、品質を厳しくチェックしています。

天敵で環境に優しく病気の発生を防ぐ

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草間さんは環境に優しい害虫駆除を実践していて、4年ほど前からカブリダニを使ってハダニ駆除をしています。ハダニは病気を蔓延させる原因のひとつで、天敵昆虫であるカブリダニを使うことにより、ハダニの発生を抑えています。

一番の楽しみは収穫のとき

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ハウス栽培の幸水を皮切りに、10月半ばまで梨の出荷が続きます。
出荷終了後、土壌改良を行い、肥料の散布や枝の剪定、圃場整備を行います。草間さん夫妻は一年を通して休みなく梨作りに力を注いでいます。一番の楽しみはやはり収穫だそうです。質の良い大きな梨が沢山とれたときに、やりがいをとても感じると仰っていました。

生産者の努力と豊かな土地で育まれた甘くて美味しい「あくとなし」。
今年も食べ頃の季節がやってきました。JA常総ひかり 八千代地区の「あくとなし」をぜひご賞味ください。

取材協力

JA常総ひかり
農産物直売所「旬彩・やちよ」

〒304-3544 茨城県結城郡八千代町若1306

TEL :
0296-30-3011
営業時間 :
AM9:00~PM6:30(4月~10月)・AM9:00~18:00(11月~3月)
休日 :
第1・第3水曜日
WEB :
http://www.jahikari.or.jp/tyokubai.html#yachiyo

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