シャッキリと歯ごたえがあるのに
柔らかで甘いねぎ

横倉 睦郎さん
JA水戸のオリジナルブランド「柔甘ねぎ」をご存知でしょうか?
その名の通り柔らかく、甘さがあり緑の葉まで食べられる軟白ねぎのことです。
軟白ねぎとはビニールハウスの中で栽培され、白い部分を遮光資材で覆い栽培したねぎを指します。JA水戸ねぎ生産部会では平成9年から数名のメンバーで試験的に柔甘ねぎ栽培が始まり、今では部会員20名にも及ぶ大所帯に成長しました。当部会では「茨城県特別栽培農産物認証制度」※1を取得し、土壌検査をはじめ、メーカー指導のもと有機質50%以上の肥料をたっぷりと使い、追肥をしないなど土作りに独自の工夫をすることで柔らかく甘いねぎを作っています。
また、平成14年には部会全体で「エコファーマー」※2を取得、平成20年にはGAP(品質の確保、環境への負荷低減を図るための活動)にも取り組み、できるだけ農薬散布回数を減らした安心安全な取り組みを消費者へ向けて発信しています。
- ※1「茨城県特別栽培農産物認証制度」
化学肥料や化学合成農薬を削減するなど一定の条件を満たして生産された農産物を「特別栽培農産物」として茨城県が認証する制度。 - ※2「エコファーマー」
持続農業法に基づき、堆肥などを施して土地の力を高め、化学肥料、化学農薬を減らす生産計画を都道府県知事に提出し、認定された農業者。
手探りで始まったブランド栽培
ねぎ生産部会で副部会長を務める横倉さんは20歳の時に父親の後を継ぎ農家へ転身、ブロッコリーや白菜など露地栽培の野菜作りをはじめました。しかし今から8年前柔甘ねぎ栽培の立役者である部会長に誘われたことがきっかけとなり、ねぎ栽培への道を歩み始めたそうです。
「はじめはノウハウも何もありませんでした。軟白ねぎは本来ねぎ栽培に必要な土寄せをおこなわないため、葉の重さに耐えきれず曲がりやすいのですが、どうしたらねぎが曲がらないか、味が美味しくなるかをみんなで長いこと試行錯誤しました。今の栽培方法を確立したのはつい最近のことでここまで到達するのが一番苦労しました。」と当時を振り返っていました。
柔甘ねぎの旬は5月から6月。今年の作柄は味も太さも申し分ない状態であり、今まさに旬を迎えています。
11月から7月中旬に1箱20袋入りで主に水戸、東京や横浜など関東地方を中心に出荷しています。ちょうど露地栽培のねぎが品薄になる初夏に出荷するため市場でも高い評価を得ています。
「今後は消費者の皆さまに食べてもらって『美味しい!』と喜んでいただけるようなねぎを作り続けていきたいです。」と話してくださいました。
栽培に携わる人全員で常に上を目指す
部会では毎年新しいメンバーが増え、現在は30代〜70代までの幅広い年齢層で構成されています。
柔甘ねぎ栽培は初期の設備投資に費用が多くかかるため、失敗しないように先輩の部会員が新規部会員の圃場をこまめに見回り、その都度指導や相談にのっています。みんなでいいものを消費者へ届けたい。その思いを胸に全員で農家になって間もない人を見守っています。また、目揃え会や栽培講習会にはパートやアルバイトなど栽培に携わる人も積極的に参加することが出来、実際に商品を見て品質の良さや問題点を学ぶ環境ができています。
多くの方に
JA水戸ブランドを知ってもらいたい
市場関係者や消費者へブランドの浸透を図るため、PRにも積極的に取り組んでいます。
スーパーで試食会をおこなうと甘くて食べやすいと驚く方が多く、特に子供やお年寄りに人気です。また、市場へ流通するねぎの箱の中におすすめレシピを入れ、食べ方の提案を行っています。
レシピはJA水戸のサイトやリーフレットでも紹介し、今後は県の協力のもと有名店舗とコラボした料理も紹介していく予定です。
東京、横浜の店舗、そしてJA水戸の直売所や水戸市内のスーパーマーケットで購入ができます。
地元水戸ではまだ知名度が低いのですが、いずれは水戸市民全員に「柔甘ねぎといったらこれ!」と周知してもらえるよう今後もPRに力を入れていきたいと意気込みを語ってくれました。
今が旬の、味ののった「箱入り」の甘さに驚いてみませんか?
手塩にかけて育てたJA水戸の柔甘ねぎ、お召し上がりください。
取材協力
JA水戸 野菜予冷センター
〒311-4155 茨城県水戸市飯島町1309-4
- TEL :
- 029-252-2525
- FAX :
- 029-255-5116