茨城レタス栽培発祥の地

部会長 中村 保さん
サラダには欠かせない野菜、レタス。
茨城県は全国第2位の生産量を誇るレタスの大産地です。特に県西地区のJA(JA茨城むつみ・JA岩井・JA北つくば・JA常総ひかり)で盛んに栽培され、惚れ惚れするほど新鮮で美味しい「惚レタス」ブランドとして関東を中心に広く流通しています。
今回伺ったJA茨城むつみ管内の猿島郡境地区は、茨城県で初めてレタス栽培をスタートさせた「茨城レタス栽培発祥の地」です。発端については諸説ありますが、昭和30年代、進駐軍よりレタス栽培の命を受け、栽培が始まったと言われています。その後、食生活の洋風化によるサラダの需要が高まったこともあり、着実に栽培面積を増やし、昭和59年には他産地に先駆けて茨城県青果物銘柄産地の指定をうけました。
おいしさの秘密は栄養豊富な土
JA茨城むつみ境地区野菜生産部会の部会長を務める中村さんは金岡地区で育ち、20代で両親の後を継いでレタス栽培をはじめました。約40年にわたり、結球レタス「惚レタス」と、葉先がフリルのようにカールした「サニー惚レタス」「グリーン惚レタス」を広大な1.2haの畑で栽培しています。
畑で収穫を待つレタスはどれも瑞々しく葉が鮮やかで、食欲をそそります。中が程よく空洞になっているものが良いレタスの証。ほのかな甘さとシャキシャキ感、レタスだけでパクパク食べられてしまう美味しさの秘密は土づくりにあります。
中村さんの畑は春になると水田に変わります。
「水田にすると空気を必要とする有害な菌が死滅するので、連作障害が出にくい中性の土に変わるんです。それに養分豊かな川の水を用水路からひいているので、栄養が絶えず供給されるのがいいんでしょうね。稲の後に作る秋レタスは味が全然違いますよ。」と中村さんは笑顔で答えてくれました。
収穫したてを食卓へ
秋レタスは定植から2か月程で収穫を迎えます。収穫したレタスはその日のうちに予冷、出荷することで鮮度を保ったまま消費者へ届けられます。
野菜生産部会では58名がレタス栽培に取り組んでおり、年間30万ケースを京浜市場へと出荷しています。JA茨城むつみが独自に開発した有機物50%のレタス専用肥料を使い、安定した品質と新鮮で安心な野菜を提供できるよう努力しています。
また部会では20代~40代の若い生産者が青年部を結成し、品種の選定、試験栽培、国内外の産地への研修を積極的におこない、そこで得た技術を月1回の検討会で共有しています。中村さんたちのようなベテラン生産者も若い生産者の相談に乗り、互いによりよい技術向上を図っています。
売り場で探そう「惚レタス」ブランド
JA茨城むつみを含む県西4JAでは、産地としてのPRを強化しようと惚れ惚れするレタス「惚レタス」というブランドで消費者へ向けたPR活動を行っています。
キャラクターがハートを胸に抱えるブランドマークに合わせ、カラフルで親しみやすい販促物を毎年作成しています。
また大手メーカーと協力し、季節ごとのオリジナルレシピ開発に力を入れています。このレシピはレタスをより美味しく食べられるよう考慮されたもので、小売店での試食会等で消費者へ配られます
JA茨城むつみのサイトにも職員が考案した春巻き、どんぶり、スープなどバリエーション豊かなレシピが掲載されています。
サラダ以外にも、様々な食べ方で楽しめる「惚レタス」。JA茨城むつみ境地区のレタスをぜひ、ご賞味ください。
取材協力
JA茨城むつみ
境地区営農センター
〒306-0404 茨城県猿島郡境町長井戸23
- TEL :
- 0280-87-2116
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- 0280-87-2117