ツリーのようなロマネスコ
ロマネスコは花蕾の配列が特徴的な野菜で12月に出荷ピークを迎え、ツリーのような形からクリスマスの時期に人気があります。
今回はJA茨城むつみ 総和地区園芸部会青年部部長の宇都木さんの色あざやかで、形も美しいロマネスコをご紹介します。
珍しい品目での産地を目指して

部長 宇都木さん
宇都木さんはご両親が栽培するキャベツやサニーレタスの栽培の手伝いを始めたことをきっかけに31歳の時に就農されました。現在はロマネスコのほか、サニーレタスを栽培しています。
宇都木さんが部長を務めるJA茨城むつみ 総和地区園芸部会青年部ではロマネスコの栽培が平成24年から始まりました。現在16名の部会員が所属し、平成30年は約4,000ケースを出荷しました。
全国的に出荷量の少ないロマネスコは生産者が少なく、栽培を始めた当初はロマネスコの栽培方法についての情報が少なく、苦労されたそうです。今ではほかの産地の栽培者からも意見を求められるほどになりました。「僕の畑でも最初の収穫は15ケースくらいしか出荷できませんでしたが昨年は約300ケースを出荷できるようになり、青年部の部員も出荷量も増えてきました。」と宇都木さんは笑顔で話してくれました。
ロマネスコの様子に合わせて
ロマネスコは年1作。8月に育苗をし、9月に定植をおこないます。
ロマネスコは繊細な野菜です。水が多すぎてしまうと根腐れを起こし枯れてしまったり、虫や病気の被害が出ると花蕾が茶色くなるなど見た目が悪くなってしまい出荷ができません。圃場の排水対策のため畝間を広めにとるなど、注意を払い、丁寧に栽培されています。
「畝間が狭すぎてしまうと水分がたまりやすくなるし、ロマネスコがまっすぐ育たず倒れて育ってしまい綺麗な形にならないんです。さらに水分量や虫、病気だけでなく『リーフイン』といって肥料のあげすぎなどで花蕾に葉が発生してしまうこともあるので、僕の畑では肥料を少なめに、なるべくロマネスコにストレスをかけないように栽培しています。露地栽培でその年の天気や気温なども違うので様子を見ながら育てていくことが大切なんです。」と宇都木さんは話してくれました。
繊細な形を守るために
大切に栽培されたロマネスコは11月から12月に収穫期を迎えます。花蕾が崩れないよう、一つひとつ丁寧に収穫され、葉を半分程度に残したままカゴへと入れていきます。
その後外周の葉のみを残して余分な葉は取り除き、箱詰めをおこないます。箱詰めの際は、ロマネスコを立てて入れていきます。「カゴに入れる時も箱詰めする時にも丁寧に扱っています。葉で花蕾を守ってあげて、新鮮な方がいいので出荷する1〜2日前に収穫はしています。手間がかかるので1日に20~30株ぐらいしか収穫できないんですよ。」と宇都木さんはいいます。
収穫後の畑は連作障害を防ぐため、次の定植をむかえる9月までの間、サニーレタスを栽培します。
ロマネスコを知ってもらうことから
最後に、宇都木さんに今後の目標を伺うと「ロマネスコをいろんな人に食べてもらえるように品質だけでなく、見た目にもこだわって青年部全員で切磋琢磨しています。まずは消費者の方にロマネスコの特徴的な形と名前を覚えてもらい、こんな面白い野菜があるということを知ってもらいたいです。ロマネスコに興味を持ってもらうことで、今後も生産者が増え栽培に関してより知識を育む繋がりが広がっていけばと思います。そして青年部で栽培したロマネスコをブランド化していきたいです。」と熱い意気込みを話してくれました。
「ロマネスコは茹でてドレッシングで和え物やグラタンなどに入れるのも美味しいです。綺麗な色とツリーのような形で見た目も楽しいですよ。」とおすすめのレシピも教えてくれました。
JA茨城むつみ 総和地区園芸部会青年部の丁寧に育てられたロマネスコをぜひご賞味ください。
取材協力
JA茨城むつみ 総和地区営農センター
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