JA稲敷いちご部会は健康な苗で育った品質で勝負する「とちおとめ」の栽培に力を入れています。
頻繁に部会員全員で現地研修会や目揃え会をおこなうことでいちごの状態を確認するだけでなく、病害虫の早期発見・対策をしています。
篠田さんの圃場では電照や炭酸ガスを利用せず自然の力を活かし、徹底した栽培管理で大粒ないちごを実らせています。 産地だより

篠田さんのいちご

JA稲敷いちご部会は健康な苗で育った品質で勝負する「とちおとめ」の栽培に力を入れています。 頻繁に部会員全員で現地研修会や目揃え会をおこなうことでいちごの状態を確認するだけでなく、病害虫の早期発見・対策をしています。 篠田さんの圃場では電照や炭酸ガスを利用せず自然の力を活かし、徹底した栽培管理で大粒ないちごを実らせています。

豊かな自然環境を活かして

JA稲敷いちご部会 部会長 篠田さん
JA稲敷いちご部会 部会長 篠田さん

JA稲敷のある稲敷市は茨城県南部に位置し、霞ヶ浦や利根川などが流れる水辺に恵まれた暖かい気候の田園都市です。稲敷市の自然環境を活かし「江戸崎かぼちゃ」や早場米である「あきたこまち」のほか、「ブロッコリー」や「いちご」などの栽培がおこなわれています。
今回はJA稲敷いちご部会の部会長を務める篠田さんの味の濃いいちごをご紹介します。

農業の知識はご両親から

篠田さんは34歳の時に就農され、現在はいちごと水稲の栽培をしています。
就農以前は自営業で働いていましたが年齢が上がるにつれ農業への関心が強くなり父の経営する営農組合を継いで、現在は3人で共同経営をおこなう有限会社となりました。
「就農当初は農業の知識がないところからのスタートで、両親からいちご栽培のノウハウを教わりました。私が農業歴20年目となった今でも母や近所の知り合いとみんなでいちご栽培をしています。」と篠田さんは話します。

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篠田さんが部会長を務めているJA稲敷いちご部会は8年前に3つの出荷者組合が一つとなり発足されました。部会員は現在7名で、部会員全員が安定したいちご栽培をおこなえるようにいちごの生育に合わせて定期的に現地研修会や目揃え会をしています。
現地研修会では部会員全員でそれぞれの圃場のいちごの状態を見ることで、自分では気がつかなかった病害虫などにいち早く気づき対処がおこなえるといいます。

健康な親株と徹底した栽培管理で

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部会では「とちおとめ」をハウス栽培しています。とちおとめは市場からの人気が高い品種ですが、「うどんこ病」や「炭疽病」などにかかりやすい比較的病気に弱い品種です。
「いい苗には大きないちごがなります。反対に苗が良くないと小さないちごばかりが実ってしまうんです。良いいちごを栽培するには健康な親株から育苗し、収穫まで温度調節や潅水、追肥、葉かきなどの徹底した栽培管理を怠らず、いちごの状態を見ながら病害虫を防いでいくことが重要なんです。」と篠田さんはいいます。

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9月中旬、いちごの花芽が出始める頃に定植をおこないます。定植は苗の成長にばらつきが出ないように苗を一気に植え、10月上旬の花が咲く前にマルチを張ります。

味は自分の舌で確かめる

花が咲いてくる10月中旬頃から、ニホンミツバチが6,000頭入った箱を期間をあけて2度置いてミツバチ受粉をします。

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果実が実り始めたら、時期に合わせたいちごの収穫カラーチャートの色を参考に12月から4月下旬まで一つひとつ手摘みで収穫をおこないます。「収穫をする際に、自分で育てたいちごを食べて味を確かめます。部会員それぞれで肥料などを調整し納得のいく味を追求しています。私は水っぽいいちごにならないよう濃い味のいちごを目指しています。」と見た目だけでなく味へのこだわりも教えてくれました。

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収穫後は規格ごとにいちごを丁寧に並べてパック詰めをします。
収穫後のいちごは7~8度で保たれた予冷庫で保存することで色や鮮度を保ちます。その後集荷場へ届けられ、予冷されたトラックで出荷されます。

品質で勝負するいちごを

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「令和元年は台風や異常気象などで私のハウスだけでなく他の部会員も被害を受け、大変な年となりました。ですが自然災害に負けず、部会員や出荷量も増えていけばと思います。部会としてはまだ小さな部会ですがJA稲敷いちご部会は品質で勝負するいちごをこれからも育てていきます。」と今後も変わらないいちご栽培への意気込みを話してくれました。
部会では後継者不足に対して積極的に取り組み、現在副部長から栽培方法などのサポートを受けている新規の部会員も来年加入します。

いちごの甘みを味わう

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篠田さんにおすすめのレシピを伺うと「いちごは生でそのまま食べるのがやっぱり美味しいです。ほかには、甘みのあるいちごはそのまま、甘みの少ないいちごは砂糖をまぶして凍らせて、凍ったいちごと牛乳をミキサーにかけるといちごシェイクのようで美味しいですよ。」と教えてくれました。
JA稲敷いちご部会のいちごはJA稲敷新利根直売所でも購入が可能です。

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今が旬の、JA稲敷いちご部会の大粒の甘いいちごをぜひご賞味ください。

取材協力

JA稲敷 西部支店

〒300-1415 茨城県稲敷市中山4466番地1

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