火を通しても、生でも美味しい秋冬ねぎ。
藁谷さんは就農以前から変わらない想いでねぎ栽培の経験と勉強を重ね、
まっすぐで風味の良い秋冬ねぎの栽培をおこなっています。 産地だより

藁谷さんの秋冬ねぎ

火を通しても、生でも美味しい秋冬ねぎ。 藁谷さんは就農以前から変わらない想いでねぎ栽培の経験と勉強を重ね、 まっすぐで風味の良い秋冬ねぎの栽培をおこなっています。

秋冬の寒さでねぎがさらに美味しく

JA茨城みなみ 藁谷さん親子
JA茨城みなみ 藁谷さん親子

年間を通して流通しているねぎですが、旬である秋冬に出荷されるねぎは夏のねぎよりも太く、秋冬の寒さを耐えた食味の良さが特徴です。
JA茨城みなみでは伊奈地区と守谷地区の4組で秋冬ねぎの栽培をおこなっています。
今回は、藁谷さんの食感の良い秋冬ねぎをご紹介いたします。

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藁谷さんは就農以前、会社員として働いていましたが県の制度が決め手となり、39歳の時に農業への道に進むことを決心されました。「昔から農業に強い関心があったんです。農業の知識はないところから始まりましたが、県の講座や農家さんの元で2年間研修したり、今でも農業をする周りの仲間からの色々な知識を聞いて栽培に活かしています。」と藁谷さんはいいます。
現在は秋冬ねぎのほか、なす、トウモロコシ、大豆などの品目を栽培しています。

まっすぐで良質なねぎを栽培するために

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秋冬ねぎは3月から育苗をし、収穫を終えた圃場に有機物などを加え、土壌環境を整えて、5月から機械で定植をおこないます。「地面と垂直でないまま溝へ定植してしまうと、曲がった状態で生育してしまい、まっすぐなねぎにならないんです。ねぎ栽培では垂直に定植できるように、機械の調整に気を使います。」と教えてくれました。

定植後の2日間、苗を活着させるため数回土をかけて溝を埋めます。
そして、白い葉鞘部を伸ばすための土寄せと追肥を定期的におこないます。「土が雨などで流れていってしまわないように、土寄せは必ず土が乾いた状態でおこないます。ねぎは湿気に弱いため梅雨入りまでに溝を埋めておかないと溝に雨が溜まり湿害が発生したり、ある程度の土寄せができていないと暑さで根っこが枯れてしまうので、ねぎの生育状況と天候状況のどちらも把握しながら土寄せのタイミングを見極めていくのがとても重要です。」と藁谷さんは話します。

勉強を重ね、さらなる高みへ

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ねぎの白い葉鞘部が30cm以上になる11月頃からねぎの収穫を機械でおこないます。
「栽培を始めた当初は慣れていなかったので圃場に目印をつけた棒を立てて収穫時期を計っていました。ですが、徐々に栽培にも慣れ、目印なしで収穫時期がわかるようになったので、今後は自分が消費者の方々へ多く届けたい規格サイズを生産できるようになっていきたいです。そのために、品種ごとの生育速度についてもより勉強していきたいですね。」と話してくれました。

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収穫後は泥のついた皮をむき、箱の大きさに合わせて根と葉を切り落とし箱詰めをします。
収穫された秋冬ねぎは、市場のほか、近郊のサービスエリアに併設している直売所やJA直売場(みらいっ娘・夢とりで)へと出荷されます。

経験や知識を蓄えて

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今後の目標を伺うと「興味のある品目がたくさんあるので、今後も栽培経験のない品目にも積極的に挑戦していきたいです。今年はねぎの連作障害の対策に輪作する品目を模索したりもしました。引き続き勉強を重ね、ほかの品目の栽培知識からもねぎ栽培に活かすヒントが得られたらいいですね。次年度、公益社団法人茨城県畜産協会が推進している良質広域流通促進事業に取り組み品質向上に努めていきたい。そして、ゆくゆくは部会の設立へと成長していけたらいいなと思います。」と熱心に農業へ取り組む想いを教えてくれました。

また、近年の暖冬や台風について「ねぎ栽培では風や雨、気温の影響を受けやすく、まっすぐなねぎにならなかったり、湿害が発生したりします。ですが、天候のせいだからと諦めず、圃場の場所を変えたりと環境を整え、良い作物を育てるために奮闘していきます。」と話してくれました。

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取材当日は息子さんと2人で農作業をおこなっていました。後継者について藁谷さんに伺うと「普段はほぼ1人で農作業をしていますが、繁忙期には家族に手伝ってもらうこともあるので助かりますね。でも息子だからといって継いでいくという気持ちはなくて、自分が好きで農業をはじめたので農業を楽しんでやってくれる人へと繋げていけたらなと思います。」と笑顔で教えてくれました。

定番の薬味でいつもの料理に

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藁谷さんにおすすめのレシピをお伺いすると「火を通す料理ではなく、定番の薬味として生のねぎの風味や食感を楽しむのが僕は好きです。納豆を食べる時にたっぷりねぎを入れたり、白髪ねぎにしてごま油と和えて即席麺にトッピングしたりと、簡単なのにいつもの料理にアクセントがついてより美味しくなります。ぜひ、秋冬ねぎを食べてみてくださいね。」と話してくれました。
12月から4月頃まで出荷される秋冬ねぎを皆さんもご賞味ください。

取材協力

JA茨城みなみ 守谷地区営農経済センター

〒302-0117 茨城県守谷市野木崎385-2

TEL :
0297-45-1503
FAX :
0297-47-8180
WEB :
https://www.ja-ibami.or.jp/access/einou-moriya.htm

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