自然豊かな山のふもとで育つ果物たち

副部会長 小松崎さん
「JAやさと」のある「やさと地区」では、昭和45年頃から本格的にキウイ栽培が始まりました。温暖な気候で育つ色鮮やかなキウイは私たちの食卓に彩りを添えてくれる果物のひとつです。
今回は、JAやさとキウイ部会の副部会長を務める小松崎さんのキウイをご紹介します。
試行錯誤して取り組むキウイ栽培
小松崎さんは、会社員時代にキウイに興味を持ったことがきっかけでキウイ栽培を始めました。当時昭和40年頃、日本ではキウイはまだ珍しく馴染みのない果物でしたが、将来的に日本でも広く親しまれるだろうと着目し、栽培方法を独学で勉強されました。自分で苗を海外から取り寄せたり、キウイに適した栽培環境を整えたりなど、試行錯誤を重ねて栽培方法を一代で築き上げました。
キウイは雌雄異株という性質のため、雄の木と雌の木をそれぞれ育てることが必要です。棚を仕立て、つるを這わせていくために主幹となる枝を見極めて剪定をしていきます。
部会で土壌検査を毎年実施して、キウイ栽培に必要な成分を分析し、1月頃に施肥をします。キウイは寒い気候では育ちにくく霜に弱いため、温度に気をつけて栽培管理をおこなっています。
害虫・病気予防に必須な消毒は必要最低限に、なるべく自然のまま育つように心がけ、消費者のみなさんに安心して食べてもらいたいという気持ちを第一に栽培をしています。
綺麗に管理された圃場で
5月下旬から6月上旬にかけて梵天と呼ばれる先端に綿がついた棒を使用して手作業ですべての雌しべにむらのないように受粉をおこないます。しっかりと受粉をさせないとキウイが実らないことがあるため、栽培のなかでも一番気をつけている工程です。
「キウイは形が綺麗なことが基本です。すべてのキウイが楕円形の均一な形に育つように、つぶれた形になってしまっているものは全部摘みとり、こまめに一つひとつ目視しながら管理しています。」と小松崎さんは話します。
日々の細やかな管理のもと、愛情をもって育てられている様子が伝わってきました。
部会員同士の協力で支えられているキウイ
収穫の前には部会員全員が栽培したキウイの糖度をはかり、品質が一定の水準に保たれていることを確認し、10月下旬から1週間程度ですべてを収穫します。
収穫後は選果機で選別を部会員でおこない、冷蔵庫に貯蔵し、その後出荷先ごとに成熟具合を調整し出荷されます。
JAやさとキウイ部会のキウイは1月中旬頃に出荷ピークを迎えます。
「これからも消費者の方に喜んでもらえるように、安全で品質の高いキウイ作りを丁寧に取り組んでいきます。甘みと酸味のバランスのいいキウイをたくさん食べてもらいたいです。」と今後の目標を小松崎さんは話してくれました。
甘酸っぱくておいしいキウイを
小松崎さんにおすすめの食べ方をお伺いすると「そのまま輪切りにしてスプーンですくって食べるのが一番おいしいです。スムージーにしたり、ヨーグルトに入れたりするのもキウイ本来の甘酸っぱさが引き立つのでおすすめです。」と話してくれました。
また、キウイを選ぶ際には形が綺麗な楕円形をしていて適度に重いものがおいしいそうです。完熟していない固いキウイは、りんごと一緒に密閉して保存すると追熟されやすくなるので試してみてください。
12月から3月頃まで出荷されるJAやさとキウイ部会のキウイを皆さんもぜひご賞味ください。
取材協力
JAやさと 営農流通センター
〒315-0116 茨城県石岡市柿岡鴻巣3594-1
- TEL :
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