JAなめがたしおさいのある行方市は、「行方台地」と呼ばれる傾斜のある土地と赤黒い土が特徴で、水はけが良くかんしょの栽培に適した条件が整っています。JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会では「手頃な価格で多くの方にかんしょを食べてもらいたい。」というひたむきな気持ちで日々かんしょ栽培に試行錯誤を重ねています。 産地だより

箕輪さんのかんしょ

JAなめがたしおさいのある行方市は、「行方台地」と呼ばれる傾斜のある土地と赤黒い土が特徴で、水はけが良くかんしょの栽培に適した条件が整っています。JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会では「手頃な価格で多くの方にかんしょを食べてもらいたい。」というひたむきな気持ちで日々かんしょ栽培に試行錯誤を重ねています。

たくさんの人に食べてもらうために

JAなめがたしおさい 甘藷部会連絡会 副会長 箕輪さん
JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会
副会長 箕輪さん

JAなめがたしおさいでは昭和51年頃に甘藷部会が発足し、食用かんしょの栽培が本格的に始まりました。熟成スピードの異なる3品種のリレー出荷により1年を通じて旬のかんしょを出荷しているため、消費者はいつでもおいしいかんしょを食べることができます。
今回は、JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会の副会長を務める箕輪さんのかんしょをご紹介します。

自然と向き合い学ぶ、かんしょ栽培

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箕輪さんは、家業を継いで2代目として就農しました。現在は家族とパートスタッフを含む4名で栽培をおこなっています。品種は主力の3品種(紅優甘、紅まさり、紅こがね)とひめあやかなどを栽培しており、年間約200トンに及ぶかんしょを出荷しています。

「かんしょ栽培は収穫してみないと品質の確認ができないので、そこが一番難しいところだと思います。また天候にも左右されやすいので、雨が多すぎる年だとよく育たなかったりもします。そのようななかでも生産量と品質を維持できるよう、定植ではしっかり根付かせるために日が当たりすぎない午後に作業をしたり、プラソイラーという機械を使用して水はけをよくしたりなど、生産者それぞれが工夫をしながら栽培しています。年間を通じて出荷量が不足することがないように安定して栽培・出荷していくことが今後の課題です。」と話してくれました。

部会で団結し、年中おいしいかんしょを

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JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会は、「土地をえらび 技をみがき 心でつくる」をモットーに、特に味へのこだわりを持ってかんしょの栽培に取り組んでいます。現在所属部員は247名と大人数ながらも、部内に3地区の支部を設けて迅速な情報の共有に努めています。
部会では、かんしょのもつ自然な甘さを活かした「焼き芋」に着目して県内の研究機関と協力しデータに基づいたおいしく焼くための「焼き芋マニュアル」の作成や、品種ごとのデンプン含有量の違いによって最適な出荷時期を決定するなど、年間を通じておいしいかんしょを食べられるように活動をおこなっています。また、ボイラーで蒸気をふきかけて、かんしょの表面に層を形成することで鮮度を維持し、長期間の保存が可能となるキュアリング処理も導入しています。

魅力のある産地づくりを目指して

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部会では、品種の特徴やおいしい焼き芋の焼き方を、量販店の販売担当者やバイヤーに対してわかりやすく説明をすることで産地としての信頼を築き上げ、販売の促進をしています。さらに全国各地に生産者自らが出向いて、消費者へ直接PRをおこなっています。まずは消費者の方に食べてもらいかんしょのおいしさを知ってもらうことから始め、着実に実績を積み重ねてJAなめがたしおさいの焼き芋ファンを獲得してきました。
また、若手の後継者組織「TEAM FUTURE」による新品種の検討会や栽培技術向上のための勉強会を実施するなど、今後もかんしょ栽培が長く継続できるように意識高く活動をしています。そういったこれまでの功績が評価され、日本農業賞大賞や農林水産祭の多角化経営部門にて天皇杯を受賞しました。

今後は、海外へ「焼き芋文化」の普及と「行方かんしょ」として地理的表示保護制度(GI)の登録を目指し、消費者へのより高い信頼を得られるように飽くなき挑戦と絶え間ない努力を引き続きおこなうとのことです。

おいしい焼き芋をぜひ食べてほしい

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箕輪さんにおすすめのレシピをお伺いすると、「やっぱりかんしょ本来の持つ甘みを活かした焼き芋が一番おいしいと思います。自宅では天ぷらやお味噌汁に入れることが多いです。最近ではベーコンやチーズなどと一緒にかんしょを春巻きの皮で包んで揚げた春巻きも人気があります。他の食材の代わりとして使える汎用性の高さもかんしょの魅力のひとつですね。」と教えてくれました。
「かんしょを購入するときは、太さが均一で表面につやのあるものがおすすめです。表面についた黒いしみのようなものはおいしさの証なので選ぶときによく見てみてください。」とおいしいかんしょの選び方も教えていただきました。

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JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会のかんしょは、JAなめがたしおさい農作物直売所「楽郷」で販売されているほか、JAなめがたしおさいオンラインストア、全国各地の量販店などさまざまな場所でお買い求めできます。また、焼き芋に適したかんしょを詰めた焼き芋専用箱などニーズに特化した出荷箱でも販売しています。
JAなめがたしおさい甘藷部会連絡会のかんしょをぜひご賞味ください。

取材協力

JAなめがたしおさい なめがた地域センター

〒311-3835 茨城県行方市島並857-35

TEL :
0299-72-1880
FAX :
0299-72-1113
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