龍ケ崎市はファーストトマトの産地

部会長 糸賀さん
茨城県南部に位置する龍ケ崎市は、温暖な気候と利根川流域の肥沃な土壌で稲作や農産物の生産が盛んな地域です。JA水郷つくば竜ケ崎施設園芸部会の栽培するファーストトマトは、栽培の難しさから全国でも限られた地域でしか生産されていない希少なトマトです。
今回は、JA水郷つくば竜ケ崎施設園芸部会の会長を務める糸賀さんのファーストトマトをご紹介します。
希少価値の高い「龍ケ崎トマト」
JA水郷つくば竜ケ崎施設園芸部会は、所属部会員9名でファーストトマトの栽培をおこなっています。出荷時期は2月から6月上旬ごろで、茨城県内だけでなく首都圏の市場を中心に出荷しています。一般的に流通の多い桃太郎系品種のトマトと比べ生産量が少ないため希少価値が高くなかなか出会えない品種ですが、昔懐かしいトマト本来の味が楽しめるトマトとして人気を得ています。また「龍ケ崎トマト」の名前で茨城県の青果物銘柄産地の指定を受けており、龍ケ崎市においてもふるさと龍ケ崎ブランド農産物の第1号の認定を受けているなど龍ケ崎市を代表する農産物です。
ファーストトマトの特徴は、お尻の部分がとがっていることです。また、ゼリー部分が少ないことから果肉が崩れにくいことも特徴のひとつです。栽培時には水をできるだけ与えず、トマトにストレスを感じさせることで糖度が上がり、味が濃く甘いトマトになります。
培ってきた経験が活きるトマト栽培
部会長を務める糸賀さんは自分の頑張り次第で無限の可能性がある農業に魅力を感じ、農業への道に進みました。専門学校で1年間農業を学びハウスを建てることから始め、一代でトマトの栽培に取り組んで昨年は約5,500ケース(1ケース4㎏)を出荷しました。
ファーストトマトは9月初めに育苗をし、10月下旬ごろに定植をおこないます。定植のときには苗が土壌と馴染むように水を与えますが、多く与えすぎてしまうと根腐れや病気にかかりやすくなるため、長年の経験をもとに苗一つひとつの水分量を調整しながら栽培をしています。
「ファーストトマトの栽培の難しい点は、ハウス内の温度管理です。病気のもととなる高温多湿にならないように、換気やハウス内の温度設定を一定に保ちファーストトマトが成長しやすい環境になるよう日々心掛けています。」と糸賀さんは話してくれました。
部会員全員で団結し、品質維持を目指す
JA水郷つくば竜ケ崎施設園芸部会では全員で各部会員のハウスの巡回をおこない、ファーストトマトの成長過程を定期的に確認しています。部会員同士が意見交換やアドバイスをすることで栽培技術の向上とコミュニケーションを増やすことに努めています。
今後の目標を伺うと「部会全体で均一な大きさや味を維持していくことが目標です。部会員9人という少ない人数の中だからこそ協力し合っていくことが大切だと思います。またファーストトマトを食べたことがない人も、一般的によく食べられているトマトとぜひ味比べをしてみてほしいです。そのためにも変わらず安心・安全でおいしいファーストトマトをこれからも長く生産していきたいです。」と糸賀さんは答えてくれました。
甘みと酸味のバランスが最高
糸賀さんにおいしい食べ方を伺うと「やっぱり生で食べるのが1番おいしいです。冷やしすぎると甘みを損ねてしまうので、食べる直前に冷やすのをおすすめします。」と教えてくれました。ファーストトマトは皮が薄いため口当たりがいいので、トマトソースパスタもおすすめだそうです。
「ファーストトマトを購入するときには、表面に放射線状に白い筋があるものがおいしい証なので選ぶときによく見てみてください。」とおいしいファーストトマトの選び方も教えていただきました。
紹介したファーストトマトは東京都内・茨城県内の量販店で購入が可能です。
JA水郷つくば竜ケ崎施設園芸部会のファーストトマトをぜひご賞味ください。
取材協力
JA水郷つくば 竜ケ崎地区本部
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