栽培の歴史が長く続く、
全国有数のカリフラワーの産地
カリフラワーは、日本で洋食文化が広まり需要が高まった昭和30年頃から栽培が盛んにおこなわれるようになりました。しかし近年では、栽培の難しさや品質管理の手間がかかることなどが要因で、各地の生産者数が減少しつつあります。そのような中でも茨城県は全国有数の産地であり、JA茨城むつみ 境地区野菜生産部会のカリフラワーは猿島郡境町を活気づける主力品目で、平成30年に茨城県銘柄産地に指定されています。
今回は石塚さんの真っ白な花蕾が魅力のカリフラワーを紹介します。
JA茨城むつみの「カリスマフラワー」
「品種によって肥料の入れ方が違ったりと、栽培方法はまだ研究中なんです。」と話す石塚さんは、カリフラワーの栽培歴約35年のベテランです。古くから代々続く農家を継ぎ、ピーク時期には一日300〜400ケースものカリフラワーを出荷しています。
JA茨城むつみ 境地区野菜生産部会では、25名の生産者がカリフラワーの栽培に取り組んでおり、春は3月から6月、秋は10月から11月にかけて京浜市場のほか、東北や北海道などへ出荷しています。茨城県西部に位置し、北側は栃木県、西側は埼玉県、南部は千葉県に隣接する立地を活かしながら、真空予冷庫装置なども用いて、産地からスピーディーに新鮮なカリフラワーを届けています。部会ではブランド化でさらなる産地力の向上を図るため「カリスマフラワー」として、商標登録をおこないました。カリスマフラワーは、カリフラワーの生産における全国有数の産地である事や管内に産地をリードする指導者的な生産者が多い事から名付けられました。※
※JA茨城むつみ むつみだより2020年6月号より引用
丹精込めて育てる、白いカリフラワー
真っ白な花蕾が特徴のカリフラワーは、栽培に手間がかかる野菜です。
天候にも影響されやすく多湿状態を嫌うため、畝を高くし、水捌けと風通しが良い環境で栽培をおこないます。「カリフラワーはささいなことでも変色してしまうため周りの葉を折って白い花蕾を守ります。毎日圃場に入り、一つひとつに目を配ります。葉が大きく、巻いているので花蕾が見つけにくく、管理するのがとても大変です。ほら、なかなか見えないでしょう?」と石塚さんは笑って話してくれました。丹精込めて育てられたカリフラワーは、手作業で収穫されます。花蕾に傷がつかないように慎重に収穫がおこなわれ、出荷する際は花蕾を上にして一段の箱に詰めて出荷されます。
トップの産地であり続けられるように
石塚さんに今後の目標について伺うと「天候の関係で春よりも難しい秋の出荷に向けてのカリフラワー栽培は、どの産地でも生産者が少なくなります。JA茨城むつみ 境地区野菜生産部会でも、現在は秋に向けての栽培をおこなっています。これまでの培った経験を生産者同士で伝え合い、秋出荷の栽培に取り組む生産者がより増えていくといいなと思います。」と話してくれました。また、部会については「これからもトップの産地でいられるように、部会員が団結して妥協なしで一生懸命栽培に取り組んでいきます。」と教えてくれました。カリフラワーは、野菜の彩りを活かしたブロッコリーとカリフラワーのサラダや、コリコリとした食感がアクセントのグラタンなどがおすすめとのことです。
JA茨城むつみ 境地区野菜生産部会の「カリスマフラワー」をぜひご賞味ください。
取材協力
JA茨城むつみ 境支店
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