いんげんは6月から9月が旬の夏野菜です。JAやさと野菜部会さやいんげん専門班では、長さや太さ、傷などの明確な選別基準を設けて規格が統一された、いんげんを出荷しています。部会のいんげんは食味が良く、さやの緑が濃いのが特徴です。 産地だより

鶴井さんのいんげん

いんげんは6月から9月が旬の夏野菜です。JAやさと野菜部会さやいんげん専門班では、長さや太さ、傷などの明確な選別基準を設けて規格が統一された、いんげんを出荷しています。部会のいんげんは食味が良く、さやの緑が濃いのが特徴です。

市場を支える、いんげんの産地

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JAやさとのある石岡市では、年間を通して多種多様な果樹や野菜が栽培されています。管内には筑波山をはじめとする筑波山地の山々が連なり、豊かな自然と田園風景が広がっています。いんげんの栽培は昭和40年代から始まりました。以前には100名を超える生産者がおり、現在も市場を支える産地のひとつとして、いんげんの栽培が続けられています。
今回はJAやさと野菜部会さやいんげん専門班の班長を務める鶴井さんのいんげんをご紹介します。

基準を設けて高い品質を

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JAやさと野菜部会さやいんげん専門班は、31名の部会員が所属しています。ハウスと露地で栽培をおこない、4月中旬から7月下旬まで京浜地域へ出荷しています。部会では平成20年から品質向上を目的に部会の各品目の班長が主導となり出荷規格表などを作成し、その基準を基に出荷をおこなっています。なかでも、いんげんの選別基準はとりわけ厳しく、品質の高さから市場での評価を得ており、価格の安定にも繋がっています。

JAやさと野菜部会さやいんげん専門班 班長 鶴井さん
JAやさと野菜部会さやいんげん専門班
班長 鶴井さん

部会のさやいんげん専門班の班長である鶴井さんは、平成22年に就農しました。鶴井さんは「以前はサラリーマンとして働いていましたが、家を継ぐのには5年や10年では習得できないだろうと思い、早くから就農する決心をしました。」と就農のきっかけについて話してくれました。ご両親と奥様の4名で、昨年は1,073ケースの約2トンものいんげんを出荷しました。

A品のいんげんを栽培するために

鶴井さんの圃場では土の上に籾殻をかぶせて栽培をしています。鶴井さんは籾殻を使う理由について「籾殻をかぶせる理由はいくつもあります。土の乾燥を防いだり、雑草を生えにくくさせたり、霜が降りると苗が枯れてしまうため地温をあげる目的や、地面近くにもさやが実るので雨の際の泥はね防止にもなります。」と教えてくれました。

露地栽培では6月上旬から収穫が始まります。収穫をしながら樹勢を保つため、追肥や葉面散布※をおこないます。「液肥を定期的なサイクルで与えることで、均一な太さのいんげんが実るように管理しています。少しでも部分的に細くなってしまったり、栄養不足で曲がってしまうとA品ではなくなってしまうんです。」と鶴井さんは話します。

※作物の葉面に養分が含まれた溶液を散布し、吸収させる施肥の方法

素早くかつ正確に選別を

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いんげんは、さやに傷がつかないように丁寧に収穫された後、出荷規格表を基に選別し、当日に出荷されます。「選別をする際には、あらかじめ出荷できないものを事前に省いておくことで素早くかつ正確に選別できるようにしています。ピーク時期には100キロほどを出荷する時もあるため、少しの判断の遅れが積み重なると膨大な時間になりますし、品質が低下してしまいます。」と鶴井さんは話します。こうして規格ごとに長さや太さがぴったりと揃った状態で市場へ出荷されます。

喜んでもらえるように、プライドをもって

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部会での今後の目標は、収量の高位平準化です。新規で栽培をはじめた生産者や収量の少ない生産者の収量の安定化を図るため、部会員全員が土壌検査を実施し、定期的な圃場巡回や生育状況にあわせて栽培指導をおこなっています。
鶴井さんは「喜んでもらえるような作物づくりをこれからもしていきたいです。部会のいんげんの選別基準はどの産地よりも厳しいですが、譲れない部分です。プライドを持って、正直に栽培に取り組んでいきたいです。」と意気込みを話してくれました。また、「いんげんは茹でたり素揚げたりしてマヨネーズとめんつゆを付けるだけでおつまみになっておいしいよ。」とおすすめの簡単レシピも教えてくれました。
JAやさと野菜部会さやいんげん専門班のいんげんは量販店などでお買い求めいただけます。夏が旬の歯ざわりが良い、いんげんをぜひご賞味ください。

取材協力

JAやさと 営農流通センター

〒315-0116 茨城県石岡市柿岡鴻巣3594-1

TEL :
0299-44-1661
WEB :
https://www.ja-yasato.com/contents/einoh_c.html

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