産地から素早く出荷
茨城県西部では特にトウモロコシの栽培が盛んで、茨城県のトウモロコシの生産量は全国第3位を誇ります。JA茨城むつみの管内である坂東市猿島地区では首都圏から約50キロ圏内の立地を活かし、産地から新鮮なトウモロコシを出荷しています。
JA茨城むつみ猿島地区野菜生産部会は、約30名の部会員がトウモロコシの栽培に取り組んでいます。品種は糖度が約18度にもなる"ゴールドラッシュ"、粒の皮が柔らかい"味来(みらい)"などを栽培し、年間約6万ケースを出荷しています。
経験を活かして
部会長を務める野口さんは、トウモロコシの栽培歴が40年以上になる2代目です。JA職員として営農指導に携わっていた前職の経験を活かしトウモロコシやカリフラワー、レタスなど年間を通してさまざまな野菜の栽培をおこなっています。「JA職員当時は農家さんの圃場に出向いたり、出荷の検査などをやっていました。そうした経験が今の栽培にも繋がっていますね。」と野口さんは話します。
収穫は午前3時頃から!?
トウモロコシは一番果のみを出荷します。植え付けの間隔を狭めれば収穫できる本数は増えますが、野口さんの圃場では密植を避け、栄養が行き渡るように栽培をおこなっています。また、受粉が終わった雄穂は切りとり、虫の発生や雨風での倒伏を防止しています。
収穫時期になると数本、皮を剥いて実つきを確認し、一つひとつ手の感触で確かめながら収穫します。甘い状態で出荷するため、実に糖分が蓄えられているまだ暗い午前3時頃からヘッドライトをつけて収穫をおこないます。「収穫するタイミングが遅くなると実は大きくなりますが甘みが少なくなってしまうため、若採りで一番おいしい時を見極めて収穫しています。」と野口さんは教えてくれました。
鮮度を長持ちさせる工夫
朝採りしたトウモロコシは鮮度と甘さを保つために、真空状態で芯から冷やして熱の発生を抑える"真空予冷"を施し、その日の午後に市場へ出荷されます。収穫から出荷まで生産者とJAが連携してスピーディーにおこなうことで、鮮度が落ちやすいトウモロコシを新鮮な状態のままで量販店に並べることができます。
野口さんは今後について「自分で始めたことなので、これからもプライドを持って丁寧に栽培を続けていきたいです。」と笑顔で話してくれました。
新鮮なトウモロコシを召し上がれ!
野口さんは「皮付きのトウモロコシを選ぶ際は先の方を軽く触り、先端まで実が詰まっているものを選んでください。調理方法は茹でると甘みが逃げてしまうので、皮を剥きラップに巻いて500w3分くらいレンジで温めてください。すぐに食べない場合は実が萎んでしまうので、ラップを巻いたまま冷蔵庫で保存してください。ぜひ、新鮮で甘いトウモロコシを食べてくださいね。」と教えてくれました。
JA茨城むつみ猿島地区野菜生産部会のジューシーで甘いトウモロコシを、ぜひご賞味ください。
取材協力
JA茨城むつみ 猿島地区営農センター
〒306-0502 茨城県坂東市山2850
- TEL :
- 0280-88-0584
- FAX :
- 0280-88-7668