県内有数の柿産地
JAやさと管内の石岡市八郷地区は、県内でも柿の出荷量が特に多い地域です。
筑波山麓の温暖な気候と粘土質の土壌が栽培に適し、柿栽培が100年以上も続いています。昭和44年からは毎年、八郷地区で栽培した富有柿を審査会で厳選し「献上柿」として皇室に献上しています。
安定した品質の柿を
JAやさと園部柿部会は20名が所属しています。部会で栽培する柿のうち西村早生・富有・早秋・太秋・陽豊の5品種をJA園部柿選果場で選果し、市場へ出荷しています。
はじめにセンサーで判別ができないヘタ部分を中心に傷みなどがないか部会員が目視で確認し、次にセンサーで品質検査をおこないます。自動で等階級別に振り分けられた柿を丁寧に箱詰めし、市場へ出荷します。柿栽培をおこなう部会員ならではの目利きとセンサーで重ねてチェックをすることで安定した品質の柿を出荷しています。
代々受け継がれる栽培技術

JAやさと園部柿部会の部会長を務める藤岡さんは柿農家の3代目で、部会内最年少の生産者です。藤岡さんは「自動車整備士として働いていましたが東日本大震災を機に父が元気なうちに柿の栽培技術を受け継がないとと思い、跡を継ぎました。八郷地区の特産品である柿を絶やしては、もったいないですから。圃場にある柿の木の多くは祖父が植えたもので一番古い木は60年以上になります。」と就農のきっかけを話してくれました。
熟練した目で見極める
出荷できる品質の柿を栽培するには、適切な剪定や摘蕾・摘果作業が必要不可欠です。
果樹の栽培でおこる隔年結果※を防ぎながら、生理落果※で収穫できる柿がなくなってしまわないように、じっくりと一枝にひとつ実らせていきます。
※隔年結果:たくさん実る年と少ししか実らない年とが交互に現れる現象
※生理落果:果実が自然に落ちてしまう現象

収穫時期には色味で完熟かどうかを見極め、最適な熟度で収穫をおこないます。「柿の栽培を長年していると甘い柿かどうか色や形で見分けられるようになるんです。渋柿判定機でも正確に甘い柿か見分けられます。(品種西村早生にかぎる)」と藤岡さんは渋柿判定機で判定しているところを見せてくれました。

藤岡さんの圃場で栽培している9品種のなかでも、緑色のまま収穫される柿は太秋という品種です。「こんなに青くても食べられるの?」とよく驚かるという太秋はこの色が食べ頃で、食感の良さと甘さのバランスが抜群です。リピーターが多い品種でもあり、条紋といわれる筋が入った個体は特に糖度が高いのだそう。
柿ならではの
ホッとする甘さと食感を味わって!
藤岡さんは「品質の良い柿を作り、長く栽培を続けていきたいです。現状維持は衰退のはじまりとも言いますから生産者同士で切磋琢磨して、若い世代へと受け継いでいきたいです。」と目標を教えてくれました。また、「食卓がより華やかになるように品質の高い柿をお届けしますので、秋からが旬の柿をぜひ食べてください。」と話してくれました。
JAやさと園部柿部会の柿はJAやさと園部直売所「里の四季」でもお買い求めいただけます。
取材協力
JAやさと 園部柿選果場
〒315-0123 茨城県石岡市宮ヶ崎472-3
- TEL :
- 0299-46-3967
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JAやさと 園部直売所「里の四季」
〒315-0123 茨城県石岡市宮ヶ崎472-2
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