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モゥ~っと知りたい酪農の豆知識 ~栄養科学編~

牛乳には私たちの健康を支える栄養素がたくさん含まれています。ここでは、牛乳の持つ健康機能についてご紹介しています。牛乳をたくさん飲んで、心もカラダも、健やかになりましょう!

1.改めて考えるカルシウムの効能

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成長期の子供の1日当たりのカルシウム摂取推奨量(※)

(単位:mg)
男子 女子
6~7歳 600 550
8~9歳 650 750
10~11歳 700 750
12~14歳 1,000 800
15~17歳 800 650
日本人の食事摂取基準 2020年版より
(※注釈)推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量(97.5%が充足)。

牛乳コップ1杯(200ml)には、 約200mgのカルシウムが含まれています。

カルシウムは、丈夫な骨や歯を作るために不可欠な栄養素です。成長期は骨の基盤が作られ、さらには一生の骨量が決まる大事な時期。特に意識してカルシウムの摂取を心がけたいもの。

カルシウムは、体内では作り出せない栄養素なので、食品から補う必要があります。そのうえ食べた量の全てが体に吸収されるわけではないことをご存知でしたか? 

吸収率は牛乳で約40%、小魚で約33%、野菜(ほうれん草など)で約19%と食品によって大きな差があります(※1)。牛乳は、カルシウム自体が豊富な上に、吸収率も優れています。また適度な運動は、骨をつくる細胞の働きを活発にし、カルシウムの吸収率を高めることから、「運動の後に飲む牛乳」は、とても効果的とされています。ぜひお子様にオススメしてあげてください。
(※1)日本栄養・食料学会誌vol.51より

カルシウム不足によって骨量が減り、骨がもろく骨折しやすい状態となるのが「骨粗しょう症」。とりわけ女性に多いとされています。

カルシウムは骨や歯を作るだけでなく、たんぱく質の代謝など体のあらゆる活動に必要とされています。そのため、血液中のカルシウム濃度は一定に保たれているのですが、不足すると骨の中のカルシウムが血液中に溶け出してしまうのです。

人間の骨量は10代にピークを迎え、20歳を超えると横ばいに。その後加齢と共に徐々に減少しますが、特に女性は、閉経後に女性ホルモンの分泌低下によって骨量が激減します。大事なのは、骨量の増加率の高い10代に充分カルシウムを摂取し、骨量の最大値自体を高めておくこと。そして減少のカーブを緩めるために、歳をとっても諦めずにカルシウムを継続して摂取すること。今からでも遅くありません! 牛乳のある暮らしを始めましょう。

骨粗しょう症の原因

※カルシウムを骨の材料として役立たせるには、ビタミンDやビタミンKなどが必要です。前者はカルシウムの吸収を促し、鮭などの魚介類に豊富。後者はカルシウムの骨への沈着など骨形成に重要で、納豆や青菜に多く含まれています。

2.タンパク質、ビタミンも豊富

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運動に勉強に、毎日元気いっぱいの子供たち。健やかな成長のためには、日々の食事から様々な栄養をバランスよく摂ることが大切です。そんな成長期のお子様のからだづくりに欠かせない栄養素が、たんぱく質です。

たんぱく質は血や肉、骨や皮膚などあらゆる細胞を作る働きはもちろん、ホルモンの生産や免疫物質、さらには脳の発育にまで関わる大事な栄養素です。

大豆や牛肉などたんぱく質が含まれている食品には、様々なものがありますが、その中でも良質なたんぱく質が豊富に含まれているのが、牛乳です。

「良質」と言われるその理由は、9種の必須アミノ酸をすべて含み、非常にバランスよく構成されているからです。

成長期のお子様の場合、3回の食事だけでは必要な栄養が摂りきれない事もありますが、その分もおやつなどで気軽に補えるのが牛乳の良いところ。親子で牛乳を使った手作りおやつに挑戦してみてはいかがでしょうか?

必須アミノ酸とは?

私たちにとって大切な栄養素、たんぱく質を構成するのが、アミノ酸。
その中でも体内で合成されず、食事でしか補えない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。

お子様だけでなく、お母様にとってもたんぱく質は大切な栄養素です。例えば、“美しい豊かな髪”とも密接な関わりがあることをご存知でしたか? たんぱく質は、血や肉など生命の維持に欠かせない成分であるとともに、毛髪を作る源でもあるのです。

たんぱく質は脂肪のように体の中にストックしておくことができないので、日々の食事から摂取する必要があります。その点牛乳は、アミノ酸バランスに優れた良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。

『牛乳=太る!?』と心配しているお母様、ご安心ください。牛乳はコップ1杯(200ml)飲んでも、エネルギー量は126kcal(※1)、女性の推定エネルギー必要量(※2)(1日)である2,050kcalの約6%と、肥満を招く量ではありません。むしろ少ないカロリーで、たんぱく質にカルシウム、ビタミンなど大切な栄養素をバランス良くとれる飲み物なのです。

※1 日本食品標準成分表2020年版(八訂)より算出
※2 30~49歳(身体活動レベルⅡ・ふつう)/日本人の食事摂取基準2020年版

牛乳のたんぱく質が”イイ”理由

牛乳には、体や骨をつくるカルシウムやたんぱく質だけでなく、お子様の“体の調子を整える”ビタミン類も含まれています。

牛乳に含まれる主なビタミンは、ビタミンAとビタミンB群で、どちらも成長には欠かせないビタミンとされています。ビタミンAは、お子様の成長促進や、免疫機能の保持、さらには目の健康を助ける特性を持っています。

ビタミンB群は細胞の再生を助けて成長を促す効果があります。中でもビタミンB2は、栄養分の代謝を高めて食欲をわかせるなど、成長促進作用に大切な役割を果たしています。

夏に向け、水分摂取の機会が多くなりますが、「清涼飲料水より1杯の牛乳」を我が家の習慣にしませんか?

牛乳に含まれている主なビタミン
ビタミンB2 アミノ酸、脂質、炭水化物がエネルギーに変わるのをサポート。 成長発育を促進。不足は肌あれの原因に。 ビタミンB12 アミノ酸の代謝、たんぱく質、酢酸の生合成に不可欠。貧血防止、成長発育に必要。
ビタミンA 皮脂、粘膜を健康に保ち、免疫力を高める。 パントテン酸

様々なビタミンがバランス良く含まれた牛乳は、いつまでもキレイでいたいお母様にも、ぴったりの食品です。

皮膚や毛髪の健康を保ち「美容ビタミン」として注目されているビタミンB2、疲労回復にも効果を発揮するビタミンB1に加え、肌や粘膜の健康のために役立つ働きを持つビタミンAなど、女性にとって嬉しい栄養素が含まれています。

そのまま飲んでももちろんよいですが、温めたり他の食材と混ぜたりすることで、栄養を損なわずに様々な料理に活用でき、さらに栄養摂取のチャンスが広がります。牛乳が苦手の方でも抵抗なく食べられる、そんなレシピも沢山あるはずです。

美容のために、家族の健康のために、様々な取り入れ方を考えてはいかがでしょうか?

3.免疫機能

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免疫とは、体内に侵入してきた病原体やウイルスを、血液中の抗体や白血球が攻撃して分解し、自己防御するためのシステムです。牛乳にはこの免疫系を活性化し、抵抗力をつけて病気になりにくい体をつくるとともに、免疫系の行きすぎを防ぎ、炎症作用やアレルギー症状を抑えて調節する働きが期待できます。
牛乳のたんぱく質成分であるカゼインが消化されると、免疫細胞を活性化して抗体の産生を促進する働きがある成分が生成されます。また、カゼインの構成成分であるκ-カゼインにはアレルギー反応を起こすヒスタミンの放出を抑制する働きもあります。
さらに、細菌の細胞膜を分解して破壊するリゾチーム、細菌の増殖を防ぐ作用があるラクトペルオキシダーゼなどの酵素と、様々な生理機能物質が含まれています。また、乳脂肪の分解により生じる脂肪酸にも感染防御作用があるといわれています。

4.整腸作用

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腸内では常に消化吸収を助けて腸内を浄化する善玉菌と、有害物質や病原菌を増殖させる悪玉菌とが拮抗し合っています。その善玉菌を優勢にするための食品として考えられるのが牛乳乳製品です。
牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)は、腸内細菌の働きによって乳酸や酢酸に変換されると腸のぜん動運動を高めて便秘を防ぎ、便を柔らかくする働きがあります。さらに、悪玉菌が生産するアンモニアやアミンなどの腐敗物質や発がん物質の増殖を防ぎます。
また、人間の腸内で善玉菌として多く存在し、有用な働きをするのがビフィズス菌です。ビフィズス菌は老化やストレス、食生活の乱れなどで減少するため、いかにビフィズス菌を増やしていくかが健康維持には大切な要因になります。

5.高血圧の改善

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高血圧を招く要因として最も大きいのが食事で、食塩の成分であるナトリウムの過剰摂取が原因と考えられています。そんなナトリウムの血圧上昇作用を妨げる働きがあるとして注目されているのがカルシウムです。米国で行われた調査によると、カルシウムの摂取量が多いほど、高血圧の頻度が低いという結果が報告されています。調査では、カルシウム摂取量が1日あたり300mg以下では高血圧例が11~14%であったのに対し、1,200mg以上では3~6%でした。日本で行われた疫学調査でも、カルシウムの摂取量が少ないと、高血圧や脳卒中の発生が増加すると報告されています。

6.「フレイル」・「ロコモ」の予防

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近年、高齢者が寝たきりや要介護状態になる要因として、「フレイル」(虚弱)や「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群・通称ロコモ)という概念が定着しつつあります。
「フレイル」とは、「加齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態」のことで、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。「ロコモティブシンドローム」とは、骨や関節、筋肉といった運動器の障害により、歩行や日常生活に支障をきたして寝たきりや要介護になる、あるいはそのリスクが高い状態を指します。
そうしたリスクを高める要因の1つとなるのが「低栄養」です。高齢者は、加齢による体の変化などにより、少食になったり、食事が偏ったりして、自分でも気がつかないうちに低栄養状態になっていることがあります。また、買い物や料理がおっくうになって食事を抜いたり、自分の好きなものばかり食べたりすることも低栄養の原因になっています。
高齢者における低栄養の特徴の1つとして、たんぱく質摂取および総エネルギー量の低下があげられます。特に、たんぱく質は筋肉や臓器を構成する主成分であり、酵素やホルモン、免疫細胞の原料になるなど高齢者にとっても重要性の高い栄養素です。たんぱく質は、魚や肉、大豆や大豆製品、牛乳乳製品に含まれています。これらを毎日の食事に取り入れることが非常に重要です。