手しおにかける

「入善ジャンボ西瓜」の栽培研究に密着!【入善高校2024①】

2024年06月03日

JA全農とやまでは、昨年に引き続き『富山県立入善高等学校 農業科 入善ジャンボ西瓜班』の生徒たちに密着し、富山県内の頑張る農業高校生の姿をブログにて紹介していきます!


同校では、6年前から「NEW農チャレンジ事業」と称し、入善町の特産品である「入善ジャンボ西瓜」の栽培研究に取り組んでおり、現在、3年生3人と2年生4人が、先生や生産者の指導のもと、「入善ジャンボ西瓜班」として活動しています。


今年度は、昨年に引き続き、入善ジャンボ西瓜の自根苗と接ぎ木苗を育て、生育度合や食味について比較するほか、四角いジャンボ西瓜づくりに取り組んでいきます。



5月のとある日、2年生の授業にお邪魔しました。

授業がおこなわれる上田農場


授業内容は、入善ジャンボ西瓜の「定植作業」。
今年度は自根苗21株(内5株が新品種)、接ぎ木苗21株(内5株が新品種)の計42株の苗を定植します。
この日は、自根苗の定植をおこないました。


「自根苗」とは、自分の根から養分を吸収して生育する苗のことで、「接ぎ木苗」とは、花や実のなる植物の茎(穂木)と根となる植物の茎(台木)をつなぎ合わせてできた苗のことです。病気に強い品種を台木として接ぎ木することにより、丈夫な苗を作ることができ、また自根苗のみの栽培を続ける場合に比べ、同じ作物を栽培し続けることにより発生する「連作障害」も防ぐことができるそうです。


通常、入善ジャンボ西瓜では他の西瓜のような接ぎ木栽培はおこなわず、自根栽培をしていますが、同校では接ぎ木による生産性の向上等を調査するため、接ぎ木栽培の研究を実施しています。


まず始めに、長年にわたり、入善ジャンボ西瓜を栽培してきた高見さんより、植え方のポイントについて説明を受けます。


これから伸びてくる蔓の方向を揃えるために、双葉の向きをすべての苗で揃えて定植すること、植える際に土が固まっている箇所があればほぐすこと、しっかり植えようとして苗を強くおさえすぎないことを教わりました。


苗を圃場へと運び、いざ定植。

畝に被せたマルチにカッターで等間隔に切り
込みを入れて、苗を配置します。
教えてもらったことに気を付けながら、手作
業で苗を植えていきます。
定植完了!


今回、初めてジャンボ西瓜の定植をおこなった生徒たちは、
「葉の向きを考えて植えるのは初めてだったので、気を付けて定植した」「大きくて甘くて美味しい西瓜になって欲しい」と話してくれました。


また、入善高校ではチューリップやトウガラシ、サツマイモなどの様々な研究をしている中で、なぜジャンボ西瓜の研究を選んだのか尋ねたところ、中学生の時に入善高校のオープンハイスクールに行き、その時に食べたジャンボ西瓜が甘く美味しかったことが記憶に残っていて、自分でも育ててみたいと思ったからと教えてくれました。

入善ジャンボ西瓜班 2年生の皆さん


ジャンボ西瓜の栽培を指導する高見さんは、
「農業の面白さを生徒たちに伝えることや、入善高校に農業科がある意義について、ジャンボ西瓜の研究を通して発信していきたい」とおっしゃっていました。


また、今年度からの新たなチャレンジである新品種の栽培について尋ねると、この品種はジャンボ西瓜と比較すると、日持ちし、病気に強い可能性があるそうです。今後の成長が楽しみです!



心を込めて丁寧に植えた苗が、立派に育ちますように。
今年も大きく美味しいジャンボ西瓜ができることを楽しみにしています!


引き続き、本ブログでは生徒たちの頑張る様子をお届けしていきます!