手しおにかける

「入善ジャンボ西瓜」の栽培研究、5年目の新たな挑戦!【入善高校③】

2023年08月10日

JA全農とやまでは、富山県内の頑張る農業高校生の姿をブログにて紹介しています。
今回は、『富山県立入善高等学校 農業科 入善ジャンボ西瓜班』の生徒たちに密着します!

同校では、5年前から「NEW農チャレンジ事業」と称し、入善町の特産品である「入善ジャンボ西瓜」の栽培研究に取り組んでいます。
昨年も西瓜の研究をしていた3年生4人に、新たに2年生3人が加わり、計7名の生徒が先生や生産者の指導のもと、「入善ジャンボ西瓜班」として活動しています。

★前回までの記事はこちら!
<定植作業> 「入善ジャンボ西瓜」の栽培研究、5年目の新たな挑戦!【入善高校①】
<角形形成のための枠入れ作業> 「入善ジャンボ西瓜」の栽培研究、5年目の新たな挑戦!【入善高校②】



7月の終わり、同校の農場で行われた3年生の授業にお邪魔しました。

今年度の「NEW農チャレンジ事業」では、『①入善ジャンボ西瓜の接ぎ木栽培・②角形栽培』の2つを研究テーマとして設定しています。

この日の授業内容は、「角形栽培」に挑戦していた西瓜の、待ちに待った「収穫作業!」

5月に定植し、6月に四角い枠型に枠入れした3つの西瓜たち。
透明度や強度が異なる2種類の枠型を用意し、3つのうち、2つは塩化ビニール製、1つは鉄とポリカーボネートを組み合わせて製作した枠型に入れて栽培してきました。

残念ながら、塩化ビニール製の枠型に入れた2つは、枠型が西瓜の成長時の圧力に耐え切れず、生育途中で通常のラグビーボール状になってしまい、上手くいきませんでした。

残りの鉄とポリカーボネート製の枠型で育てた西瓜は、順調に生育が進み、無事この収穫の日を迎えることが出来ました。
当日は、定植からこのチャレンジを見守っている西瓜生産組合の高見組合長や報道関係者等も駆けつけ、皆の注目が集まります。


準備を終えた生徒たち。いざ収穫作業へ!


こちらが今回収穫する、角形栽培に挑戦したジャンボ西瓜。


まずは、枠型のボルトを外していきます。


続いて枠型を外そうとするも、西瓜が型枠の側面にぴったり張り付いており、内からの強い圧力で中々外すことが出来ません。



高見組合長、先生も一緒になって手伝い、枠型を開けようと一生懸命力を合わせますが、作業は難航。
バールも用いて、猛暑の中大量の汗を流しつつ作業を続け、作業開始から数十分後、、


ついに、、枠の上半分を外すことに成功!



そして、気になる四角い西瓜の出来栄えは、、



多少角に丸みが残るものの、通常のジャンボ西瓜(写真右)と比べると、明らかに四角い西瓜作りに成功!
縦横25cm、高さ32cmの枠にすっぽり収まる、長方形のジャンボ西瓜。
過去に生産者が何度か挑戦しましたが、失敗に終わっており、これが「四角い入善ジャンボ西瓜」初の成功例となりました!


また、この日は、同校で同じく5月に定植していた、「慣行栽培」と「接ぎ木栽培」の西瓜も各1つずつ収穫し、試し割りをおこないました。


まずは重量を測り、生育具合を確認。
約15kg程の大きさまで生育していました。



続いて、大きな包丁を用意し、いざ入刀!



分厚い皮に包丁を入れ、体重をかけ刃を奥まで入れていきます。
ジャンボサイズなだけに、カット作業も一苦労。
西瓜を回転させながら、皆で協力して切り進めていきます。


無事カットし終わると、綺麗で鮮やかな断面に、生徒たちもにっこり嬉しそうな表情を見せてくれました!



次は、「慣行栽培」「接ぎ木栽培」それぞれの果実をスプーンですくい取り、糖度計に果汁を垂らし、糖度を測定していきます。

この日収穫した西瓜は、慣行栽培は12.5度、接ぎ木栽培は12.4度となり、どちらも十分な甘さに育っていました!


今回の四角いジャンボ西瓜の出来に対し、高見組合長は
「初めての挑戦だったのに、期待以上の出来となったと思う。85点の合格点!」
と、笑顔で生徒たちの挑戦を称えてくださいました。

生徒たちは、
「わき目取りなど、日々の管理が大変なこともあったけど、四角い西瓜が出来て嬉しい」
「もう少し早く枠入れすれば角がより四角くなったかも」
と、喜びの気持ちや、今後に向けた改善点等を聞かせてくれました。


「“四角い西瓜“といった注目されるものを作り、
 地域の特産品である入善ジャンボ西瓜をもっとたくさんの人に知って欲しい」という思いで始めた今回の挑戦。


その思いの通り、生徒たちの頑張りや、先生・高見組合長をはじめとした皆さんの協力のおかげで、今回の挑戦は、複数の報道機関等でも取り上げられ、ジャンボ西瓜をより多くの方にPRする絶好の機会となりました!


今回の西瓜の角形栽培のほか、同校の今年度の研究テーマである「接ぎ木栽培」の取り組み結果は、入善町で1月におこなわれる「NEW農チャレンジ事業 最終報告会」にて報告予定です。


本ブログでは、引き続き、生徒たちの頑張る様子をお届けしていきます。




~おまけ~



入善町のマスコットキャラクター「ジャンボ~ル三世」も、
初の四角いジャンボ西瓜作りの成功を祝福!