手しおにかける

~「あきひめ1922」元気な子牛を出産!【中央農業高校】~

2024年08月26日

和牛の繁殖から肥育までを一貫して実習する県内唯一の農業高校である「富山県立中央農業高校」。

同校では、飼育されている繁殖用雌牛が高齢で種付けに不安があることや、優れた血統への更新もできていないといった課題があり、JA全農とやまは昨年3月に、同校での肉牛の実習継続や畜産後継者の育成を目的として、繁殖用の雌の和牛素牛2頭を寄贈しました。

▲寄贈時の写真 ▲寄贈した繁殖用 和牛素牛2頭

贈呈についての記事はこちら
富山県立中央農業高等学校へ繁殖用 和牛素牛を寄贈しました | トピックス一覧 | JA全農とやま (zennoh.or.jp)

今回は、寄贈した素牛のうちの1頭である「あきひめ1922」が元気な子牛を出産した様子を川口先生と田中さん(3年生)に取材した内容をお伝えします。

Q1.子牛の生年月日を教えてください
A1.8月8日(木)12:00頃。予定日より3日早く生まれました。


▲「あきひめ1922」と子牛

Q2.性別と体重を教えてください
A2.性別は雌で、体重は29キロです。

Q3.田中さんは出産のとき立ち会っていましたか
A3.立ち会っていませんでした。子牛が生まれたことを川口先生からすぐに教えてもらいました。予定日より早く生まれたので、びっくりしました。8月10日(土)の農場当番のときに子牛と初対面しました。かわいかったです。

Q4.「あきひめ1922」を育てる際に気をつけたことはありますか
A4.給与するえさの見直しをしました。「えさの食いつきがあまり良くない」、「あまり元気がないように見える」ことがあり、県内肉牛生産者の上野さんに相談したところ、「おそらく、全体的に栄養が足りてないように思う。濃厚飼料を見直したらどうか」とアドバイスをもらったので、育成牛用に給与している配合飼料の18Pも与えていました。18Pにはエネルギーやカルシウムがバランスよく含まれており、発情回帰の促進や胎児の成長促進が期待できます。

上野さんを講師に招いた講習会についての記事はこちら
~和牛を育てる高校生に密着!!【中央農業高校】⑤~ | 手しおにかける(とやまの農業をレポートするブログ) | JA全農とやま (zennoh.or.jp)


Q5.「あきひめ1922」との思い出話を教えてください
A5.素牛のときに、一人で引っ張って牛舎に入れたこと。今は大きくなったから一人では無理だろうなあ。

Q6.どのようなことに気を付けて子牛を育てていきたいですか
A6.子牛のときは下痢をしやすいため、体調不良の際には日報に記入し、みんなで情報を共有して体調管理を徹底したい。

Q7.子牛が和牛甲子園で上位入賞するために、後輩に伝えたいこと
A7.えさの見直しや牛舎内の清掃、体調管理などの一般管理の徹底をすることです。同じことにとらわれずにより良い方法を模索し、日々の変化に対応してほしいです。子牛は2年半後の第10回の和牛甲子園に出場できると思います!

(※)「和牛甲子園」…JA全農が「将来の担い手候補である高校生の就農意欲の向上」と「日本各地で同じ志を持つ高校生同士のネットワークを創出し、意欲と技術の向上を図る」ことを目的に開催している、全国の和牛を育てる高校生、その名も「高校牛児」たちが、和牛の肉質と日頃の取り組みを競い合う大会。

なお、寄贈した素牛のもう1頭「さちひさ22」の子牛は、このまま順調に生育が進めば、来年の3月中旬頃に生まれる予定です。

川口先生、田中さん 取材にご対応いただき、ありがとうございました!
和牛甲子園での上位入賞を目指して、日々の飼育管理に励んでくださいね。


▲田中さん、「あきひめ1922」、子牛のスリーショット