手しおにかける

~第9回和牛甲子園に出場!!【中央農業高校⑥】~

2026年02月02日

和牛の繁殖から肥育までを一貫して実習する県内唯一の農業高校である「富山県立中央農業高校」。

今回は、1月15日(木)、16日(金)に、東京・品川グランドホール、東京都中央卸売市場食肉市場で開催された「第9回和牛甲子園(※)」に出場した生徒たちの様子をご紹介します!
(※)「和牛甲子園」・・・和牛を飼育する全国の農業高校の生徒である「高校牛児」たちが和牛の肉質と日頃の取り組みを競い合う大会。JA全農は、将来の担い手候補である高校生の就農意欲の向上と、同じ志を持つ高校生同士のネットワークを創出し、意欲と技術の向上を図ることを目的に、毎年1月に和牛甲子園を開催しています。

本大会では、和牛飼育に関する日頃の取り組み内容を競う「取組評価部門」と、育てた和牛の肉質を競う「枝肉評価部門」の2部門で評価し、両部門の合計得点で「総合評価部門」の最優秀賞を選出します。

第9回となる今回は、25道府県から初出場3校を含む43校が出場し、出品牛は過去最多の65頭となりました。同校は9年連続での出場になります!
今回甲子園へ出場するのは、3年生の益山さん、村田さん、2年生の廣田さんの3名です。

続々と会場へ全国の高校牛児たちが集まってきました。
会場内には複数のフォトスポットが設けられており、参加者たちが笑顔で仲間と写真を撮影する姿があちこちで見られました。

▲フォトスポットでの1枚

▲参加校の寄せ書き

▲富山県立中央農業高校
 一人ひとりが書いた牛のイラストがキュート!



いよいよ、和牛甲子園の開幕です!

大会は2日間に渡り開催され、1日目は和牛飼育体験発表会のほか、先輩“高校牛児”による講話、“高校牛児”交流会、2日目は枝肉勉強会や枝肉共励会などがおこなわれます。

開会式で、開会の挨拶や昨年度優勝校の優勝旗返還などがおこなわれた後、さっそく1日目の目玉となる「和牛飼育体験発表会」に。

生徒たちは事前に、今年度の取組内容を7分程度の動画にまとめて大会側へ提出しており、その動画に対する審査結果が発表されます。

各参加校の体験発表会動画は、和牛甲子園ホームページからご覧いただけます。
和牛甲子園HP:事前審査 – 和牛甲子園 
※富山県立中央農業高等学校は21番目です


同校は「牛愛会爆誕 富山の畜産V字回復への第一歩」と題し、県内の肉用牛農家戸数が減少している現状を取り上げ、高齢化などの要因分析や、牛愛会の設立・魅力向上活動といった改善策を紹介しました。

残念ながら入賞には至りませんでしたが、生徒たちに話を聞くと、
「他校の取り組みがとても勉強になった。一方で、自分がやりたいと思ったことを存分にやりきれたので、そこは良かったと思っている」と、前向きな感想を語ってくれました。

その後、先輩“高校牛児”による講話がおこなわれました。
先輩は「牛との信頼関係を大切にしてほしい。牛は、手をかけただけ応えてくれる」と、現役の生徒たちへ思いを伝えました。続けて、「好きなことには情熱をもって取り組むことで、結果はついてくる。その姿勢を大切にしてほしい」と、現役の高校牛児たちへ温かいエールが送られました。

最後に、“高校牛児”の交流会があり、和牛甲子園に向けて頑張ったことや苦労したことなどの意見交換をし、同じ志を持つ全国各地の“高校牛児”と交流を深めていました。

▲“高校牛児”交流会の様子 名刺交換タイム

生徒たちは、「同じ大学に進学する生徒と出会えました。交流シートがあったことで、よりスムーズに話しができたと思います」と、交流会の収穫を語りました。
交流会では、3人が用意した手製の名刺80枚はすべて配り終え、すでに「次は100枚にしよう」と、来年に向けた改善点を話し合う姿も見られました。

こうして初日を終え、「明日も頑張ります!」と話してくれた生徒たち。
生徒の皆さん、1日目、お疲れ様でした!


翌日、和牛甲子園2日目。
まずは、東京都中央卸売市場食肉市場にて枝肉勉強会と共励会がおこなわれます。

朝早くから会場に集まる生徒たち。
自分たちの育てた牛が、どう評価されるのだろうかと緊張した面持ちです。

同校では、増体が課題となっていましたが、今年の出品牛は例年よりも大きく育ったこともあり、生徒たちの期待は一段と高まっています。

出品牛についてはこちらから!

第9回和牛甲子園の入賞を目指して!【中央農業高校2025④】 | 手しおにかける(とやまの農業をレポートするブログ) | JA全農とやま

▲出荷日の様子

果たして、月齢36か月の去勢牛「通称02」は、どのような結果になるのでしょうか・・・!

セリに先立ち、冷蔵庫内にて格付け審査員から自分たちの枝肉に関する講評を受けました。
審査員は、「枝肉重量が重く、しっかり食べてきた牛だということがよく分かります。肉の光沢も良好です」と評価しました。
一方で、「セリでは、歩留まりの観点から脂が少ない牛が好まれます。さらに高評価を目指すには、もう少しすっきりした体づくりを意識すると良いでしょう」とアドバイスが送られました。
最後には、「ここまで大きく育てられるようになりましたね!」と、生徒たちの努力を労う言葉も添えられました。

▲同校出品牛の枝肉


その後、いよいよセリのスタートです。

セリ人が出品番号を読み上げ、出品牛ごとに個体の情報や販売価格がモニターに表示されます。
販売価格が高値となる枝肉は、複数の購買者が競り合い、とまらない数字に大きな盛り上がりを見せる生徒たち。落札された枝肉が次々と目の前を流れていき、会場は熱気に包まれていました。

そして、ついに同校の番。

まずは枝肉の評価が表示され、『枝肉重量589kg、歩留等級A、肉質等級5、BMSNo.11』との結果に。
最高ランクの格付けである『A-5』『BMSNo.12』に近い評価を得て、喜びの表情を見せる生徒たち!

続いて、この評価を受けてセリにより販売価格が付けられます。

願いを込め、モニターを見つめます。
ここでも、どんどん高くなる販売価格に会場が盛り上がりを見せます。

そして、気になる販売価格は・・・
1kgあたり3,000円を超える高値!
「本当に良かったです。安心しました」と、生徒たちは結果にほっとした様子でした。

▲食肉市場正門で記念撮影

その後、グランドホールへと移動し、枝肉の評価基準についての勉強会、枝肉評価部門の入賞牛の発表、褒賞式、記念撮影などがおこなわれ、全2日間にわたる和牛甲子園は終了しました。

今回、惜しくも入賞は逃したものの、枝肉は昨年の出品牛と比べて200kgほど増量しており、良好な成績でした。

甲子園を終えた生徒の皆さんに話を聞くと、
「昨年、甲子園で自分たちの枝肉を見たとき、小さいなあと感じていました。今年は昨年の枝肉重量386kgから589kgまで大きく育てることができて、立派な枝肉になって本当に良かったです」
「セリを見た経験はあったけれど、今回は牛の数も多く、値段が上がっていくあの熱気には圧倒されました」
「去年は分からないことばかりで人見知りしてしまいましたが、今年は思ったより友達ができました。来年に向けて、また頑張っていきたいです」
など、それぞれが一年間の成長や来年への意気込みを、嬉しそうに語ってくれました。

川口先生は、
「1年間、和牛甲子園に向けて本当によく頑張ってきました。増体が課題でしたが、その点をクリアできたのは大きな成果です。一方で、長期肥育となったことで、飼料費の増加や脂肪の過多といった課題も見られました。今後は、肥育期間を適正化しつつ、同等の枝肉重量を確保できる育成方法について検討を進めたいと思っています」と話し、来年度への課題も見据えていました。

取材担当として生徒たちに話を聞く中で、「中農の牛は小さい」と聞いていましたが、今回の出品牛は他校と比べてもまったく引けを取らない立派なサイズでした。和牛甲子園の間も、休憩時間には、誰に言われるわけでもなく自ら名刺交換に出向くなど、生徒たちの積極的で頼もしい姿がとても印象的でした。

また、生徒たちは川口先生について、
「私が知っている畜産の知識は全部、川口先生が教えてくれた。ありがたいです」と口をそろえて話してくれました。
先生と生徒が和気あいあいとしながらも、やるべき時には真剣に取り組む。そんな中央農業高校の姿に、すっかりファンになってしまいました。

生徒の皆さん、先生、本当にお疲れ様でした!


第9回和牛甲子園 結果はこちらから▼
第9回和牛甲子園 結果発表 – 和牛甲子園

そして・・・来年はいよいよ、
JA全農とやまの寄贈牛から生まれた牛が出場する予定です。
こちらも今から楽しみですね。


~お知らせ~
年に1度、この時期にしか食べられない「和牛甲子園出品牛」を食べてみませんか??

①JA全農とやまが運営する「和風焼肉 富山育ち」にて、期間限定で第9回和牛甲子園出品牛を食べることができます!※ディナータイム限定
是非、この機会に富山県立中央農業高校の生徒さんが一生懸命育てた「とやま和牛 酒粕育ち」を味わってみてくださいね。


②JAあおば直売所(やまびこ館・みのり館・ほほえみ館)において、2月7日(土)から8日(日)にかけて、和牛甲子園出品牛の販売会を実施します!
また、7日(土)は、みのり館・やまびこ館の2店舗にて、生徒が自ら売り場に立ち、PR販売をおこないます。ぜひご来場いただき、お買い求めください。
※商品は無くなり次第終了となります。

【生徒たちのPR販売時間】
みのり館   9:00~10:30(予定)
やまびこ館 10:45~12:00(予定)