令和7年度東海・近畿・北陸3県ブロック国際化対応営農研究会が開催されました
2月4日(水)、5日(木)の2日間にわたり「令和7年度東海・近畿・北陸3県ブロック国際化対応営農研究会」が、富山市の富山県民会館にて開催されました。
▲研究会の様子
この国際化対応営農研究会では「これからの日本の農政と農業」をテーマに、海外農業について広い視野を持つ海外農業研修経験者を中心に12府県から約80名が集まり、持続可能な農業の実現に向けて、研究発表や情報交換がおこなわれました。富山県では2013年以来の開催となります。
4日(水)には、営農研究会と情報交換会がおこなわれ、畜産高校生による畜産アンバサダー普及啓発や、茨城大学 学術研究院の西川教授による基調講演、海外農業研修OBによる活動が報告されました。
冒頭、本研究会主催の富山県国際農業交流協会の西村精志会長から「お忙しい中、多くの方にご参加いただき、心より感謝申しあげます。この時期の富山は、例年曇天が続きますが、本日は皆さまの来県を歓迎するかのように晴天に恵まれ、立山連峰も雄大な姿を見せてくれています。富山での開催は、実に13年ぶりとなります。この会が、皆さまにとって新たな気づきや学びにつながる時間となれば幸いです。」との挨拶があり、参加者に向けて温かい歓迎の言葉が述べられました。
▲富山県国際農業交流協会 西村精志会長よりご挨拶
続いて、国際農業者交流協会の吉川隆志常務理事からは、同協会が進める農業研修生の海外派遣事業や、海外からの研修生受け入れ事業など、国際交流を通じた人材育成の取り組みについて説明がありました。吉川常務は、「この機会に多くの情報を交換していただき、明るい日本農業の未来につながる展望を見いだし、多くの方と交流を深めていただければと思います。」と述べ、参加者に積極的な意見交換と交流を呼びかけました。
▲国際農業者交流協会 吉川隆志常務理事よりご挨拶
その後、来賓として、佐藤一絵副知事および富山県農業協同組合中央会の延野源正代表理事会長から祝辞が述べられました。
初めに、「畜産アンバサダー普及啓発」について、オーストラリアで研修を受けた畜産高校生4名が、一人ずつ研修成果を発表しました。生徒たちは、動物が快適に過ごせる環境づくりをめざす「アニマルウェルフェア」の視点や、ワークライフバランスに配慮した職場づくりなど、研修を通じて得た学びを報告しました。
【発表者】
富山県立中央農業高等学校 黒田雪乃さん、臼井友紀乃さん
筑波大学付属坂戸高等学校 川上彩恵さん
宮城県農業高等学校 岩渕歩花さん
| ▲発表の様子 |
続いて、茨城大学 学術研究院 応用生物学野 教授の西川邦夫氏より、「食料・農業・農村基本法の改正と食料安全保障 ―『令和のコメ騒動』の教訓を踏まえて―」と題した基調講演がありました。講演では、「令和のコメ騒動」を振り返りながら食料安全保障の観点について触れ、コメ加工品を含めたコメの輸出促進の必要性や、品種改良などによる単収向上を通じた生産コスト削減の重要性について述べられました。
| ▲講演の様子 |
続いて、海外農業研修OBによる活動報告として、アメリカでの研修の様子について、上坂恭平氏および金田考示氏から、それぞれの経験を踏まえた報告がありました。活動報告では、研修にかかった費用や1日のスケジュール、アメリカ農場ならではの大規模な生産体制の様子など、興味を引く内容が多く紹介されました。
| ▲海外農業研修帰国者報告をおこなう 上坂恭平氏 |
▲海外赴任等活動報告をおこなう 金田考示氏 |
最後に、(公社)国際農業者交流協会の村上愛氏より、同協会の活動が報告されました。活動報告では、本年で74年目を迎える農業研修生海外派遣事業の概要について説明があり、近年は畜産ティーン育成プロジェクトなど、若い世代を対象とした研修にも力を注いでいることが紹介されました。令和7年度農業研修生海外派遣事業では、合計47名の研修生が3月から順次海外へ渡航する予定とのことです。あわせて、研修のスケジュールや研修に係る補助金など、各種制度についての説明もおこなわれました。
| ▲活動報告の様子 |
5日(木)には、富山県入善町の「よねだ農園」で現地研修がおこなわれ、オランダでの海外農業研修での学びを活かしたチューリップの水耕栽培を見学しました。
よねだ農園を経営する米田勇太さんは、祖父の代から農業を営む富山県入善町の専業農家で、水稲や大豆、チューリップ切り花などを中心に栽培しています。1998年には妻の明子さんとともに海外農業研修生としてオランダに渡り、チューリップの水耕栽培を学びました。
現地研修会では米田さんがよねだ農園のチューリップ栽培や水耕栽培の特徴について紹介し、参加者は興味深く聞き入っていました。
参加者からは、チューリップの水耕栽培時の設備や管理に関してや、「土耕栽培ではなく水耕栽培にすることによってどのようなメリットがあったか。」、「販売価格や売れ行きへの影響はどうだったか。」、「家族経営を中心とした4名の専従者で多品目を栽培することは負担が大きいと思うが、どのような工夫をしているのか。」など、生産者ならではの視点から質問が多数あったほか、水耕栽培の有用性や生産効率的な魅力に感嘆の声があがり、現地研修会は大いに盛り上がりました。
| ▲現地研修会のようす |
▲チューリップの水耕栽培に興味深々の 参加者たち |
また、研修会の最後にはよねだ農園から参加者へフラワーバレンタインとしてチューリップの切り花が贈られ、色とりどりのチューリップに参加者は顔をほころばせていました。
| ▲色とりどりに染まったチューリップ | ▲現地研修会での集合写真 |
JA全農とやまはこれからも日本農業の発展につながる活動を応援していきます。

