手しおにかける

令和7年度「NEW農チャレンジ研究報告会」で研究成果を発表!~チューリップ班~【入善高校2025Vol.10】

2026年03月03日

 JA全農とやまでは、富山県内の頑張る農業高校生の姿をブログにて紹介しています。
今年度の集大成!1月下旬に入善町民会館コスモホールで開催された、令和7年度「NEW農チャレンジ研究報告会」で生徒たちが頑張る様子をお伝えします!

 この報告会では、富山県立入善高等学校農業科の「入善ジャンボ西瓜班」、「チューリップ班」「富富富班」の生徒が、これまでの研究成果を生産者や地域の方々に報告しました。

 この1年間、密着してきた生徒たちの栽培・研究に関する発表内容をご紹介します!
前回は入善ジャンボ西瓜班の発表を紹介しました。
令和7年度「NEW農チャレンジ研究報告会」で研究成果を発表!~入善ジャンボ西瓜班~【入善高校2025Vol.9】 | 手しおにかける(とやまの農業をレポートするブログ) | JA全農とやま

 今回はチューリップ班の発表をご紹介!

▲発表をおこなうチューリップ班の3名

 入善町では、これまで育苗ハウスを利用した土壌栽培による切り花生産が盛んにおこなわれてきましたが、病害の回避や生産量の拡大には、オランダ式の水耕栽培が有効であることから、水耕栽培に取り組んできました。水耕栽培にはメリットも多い一方で、品種によって生育差があるため、生産性を高めるための技術確立に向けて、研究に取り組んでいます。昨年までの研究によって、水耕栽培に向いている品種の特定や、適切な肥料濃度がわかってきました。
 
 今年、生徒たちが取り組んできたのは、「チューリップの水耕栽培における植物ホルモンが生育に与える影響」についての研究です。生育不良によって開花しない「花とび」という現象が起こりやすい品種を意図的に選び、植物ホルモン処理を行うことで開花率が向上するのか調査しました。

 今回の研究で使用した品種は「アペルドーン」と「アペルドーンズエリート」の2種です。
チューリップの草丈が5cm、10cm、15cmと成長するタイミングでジベレリン(GA)(※)とベンジルアデニン(BA)(※)という2種類の植物ホルモンを吹きかけ、生育過程や開花率に変化があるのか観察します。
※ジベレリン(GA)・・・発芽促進の効果があるホルモン
※ベンジルアデニン(BA)・・・細胞分裂促進の効果があるホルモン

▲球根を定植する様子 ▲発表の様子

 結果、開花率は草丈が5cmに成長したタイミングで植物ホルモンを噴霧した場合の開花率が最も高くなりました。今年、低温期間が少なく開花が早まったため早期のホルモン散布による効果が現れたと分析しました。

 しかし、全体の調査結果からホルモン処理による生育差に大きな差異は見られなかったこと、全体的に花とびが少なかったことから、研究結果として確実なものであると言い切ることは難しく、多品種を用いた継続的な研究が必要であると結論づけました。

 また、栽培したチューリップは年末にJAみな穂あいさい広場で行われた歳の市で販売されました。茎がまっすぐ成長した通常のチューリップの他にも、生育途中で茎がうねるような形に育った、本来商品価値が低いチューリップを「くる~りっぷ」と名付け、試験販売をおこないました。  

▲立派につぼみをつけたチューリップ ▲歳の市でチューリップを販売

 くる~りっぷに対する評価は「可愛らしく面白い形状だ」という良い意見があった一方で、徒長(※)しているように見えるといった意見もあり、包材や装飾などを工夫して、意図的に湾曲した形状に育成した品だということをいかに簡潔に消費者に伝えるのかという点で課題が残りました。
※徒長・・・細く間延びして弱々しく伸びてしまう生育不良の状態。

▲生徒考案のくる~りっぷ

 チューリップ班への密着をとおして、生徒たちの積極的にアイディアを出して挑戦する姿が印象的でした。歳の市では実際に自分たちが生産したチューリップを、直接消費者に販売するという貴重な機会でそのやりがいも味わった生徒たち。本来であれば商品価値がない湾曲した茎のチューリップに対して商品価値を見出し、商品名を考えポップを作成するなど、多くの挑戦に満ちた1年だったのではないかと思います。

 生徒の皆さん、先生、関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした!
 次回は富富富班の発表を紹介します!