岡山県施設なす単為結果性品種研修会を開催しました
2025年10月06日
岡山県の千両なす産地は、物価高や高齢化、異常気象等の逆風が激しい中、収量増加、省力化を目指し、単為結果性品種(以降、PC品種)の取り入れを進めています。令和7年度産は県内面積の約70%で導入を予定しています。
PC品種とは、現行の「千両」と違い、花への受粉作業が不要な品種です。「千両」では、霧吹きにホルモン剤を入れ、花1つ1つに噴霧し、受粉作業を行いますが、その作業が不要になります。このことで、年間約300時間の作業時間削減が期待できます。また、異常果(ロス)が少なく、商品果が増えるとの試験結果も出ており、省力化だけでなく、収入アップも期待されます。
当日は、タキイ種苗(株)より、PC品種の特性と栽培について説明いただき、その後、県より栽培管理試験の経過についてお話いただきました。また、県やJA、全農から、現地でのPC品種の傾向と対策についても報告しました。研修後には、実際にPC品種の圃場を見てもらうため、現地視察も行いました。
本会は、今回の研修会に引き続き、栽培経過に合わせた時期別の研修会を11月、1月に計画しています。PC品種は、省力化や収入アップなど良い面もありますが、樹が弱いという懸念点もあります。今後は、その点も含め、PC品種を作りこなすため、栽培マニュアルを作成し、産地の維持拡大を目指し、産地一体となって取り組む考えです。

