瀬戸内かきがらアグリ事業拡大中 推進協議会通常総会を開催しました
2024年05月13日
JA全農おかやまが事務局を務め、県内のJAなどで組織する瀬戸内かきがらアグリ推進協議会は4月26日、岡山市で第6回目となる通常総会を開催しました。総会には生産者やJA、行政、流通に携わる生協、漁協や米卸など約100名が出席し、会員による2023年度の取り組み報告ならびに24年度の目標共有を行いました。
瀬戸内かきがらアグリ事業は、廃棄される牡蠣の殻を加工粉砕して肥料や飼料に利用する地域循環・環境保全型事業です。生産物の売り上げの一部をアマモ再生活動へ活用するほか、豊かな農地づくりを通して牡蠣が生育しやすい海の環境づくりにも貢献しています。2016年に発足し8年が経過した現在、当事業で再利用されたカキ殻は約2,300トンとなりました。
牡蠣殻を使用して生産された農畜産物は「里海シリーズ」としてブランド化を進めており、「里海米」、「里海卵」、「里海野菜」、「里海酒」、そして昨年度は黒豚に餌としてカキ殻を食べさせ育てる「里海黒豚」も加わりました。2024年度は、「里海米」の生産目標を23年度より約1,120トン多い3,978トンの生産を目標とするなど、更なる事業拡大を目指します。
当事業は異業種企業からも多くの協賛を得ており、同協議会は本年度新規加入した5組織を迎え会員数は91名となりました。「かきがらアグリ」の輪が全国に広がることを期待し、本会は引き続き当事業のPRに努め、環境保全活動に取り組みます。
伍賀県本部長コメントー「引き続き里海シリーズの生産拡大とブランディングを図るとともに、環境保全活動に参画していく。」
西山部長コメントー「発足後6年経ち、多方面から多くの反響を得ている。今後も事業を通じて里海づくりと瀬戸内の環境保全に取り組んでいきたい。」
総会では、会員である岡山トヨタ自動車株式会社様、KSB瀬戸内海放送株式会社様に瀬戸内かきがらアグリ事業の取組事例をご紹介していただきました。
岡山トヨタ自動車株式会社様は、季刊誌での当事業の情報発信やイベント「WONDERFUL SMILE 2023 岡山トヨタ」での里海コーナー企画、また、ご厚意で各店舗に里海米の販売ブースの設置されるなど、力強く取り組んでいただきました。
KSB瀬戸内海放送株式会社様は、里海事業の紹介のための長編動画や映像教材を作成され、小学生の親子、高校生を対象とした事業周知活動のほか、晴寿司をテーマとした番組企画に里海米を盛り込むなど、大規模に実施いただきました。
NPO法人里海づくり研究会議の田中丈裕理事・事務局長より、瀬戸内かきがらアグリ基金の活用報告をしていただきました。基金がアマモ場再生活動に活用される中で、計664種以上の小型動物がアマモ場で観察されるなど里海の再生が進んでいます。