安全で品質の高い日本の農畜産物の新たな需要を開拓するため、グループを挙げて海外への輸出に取り組んでいます。
日本の農畜産物を海外市場に展開
輸出事業では、国産農畜産物の輸出拡大および輸出向け産地の形成に取り組んでいます。輸出の実務は子会社のJA全農インターナショナル(株)へ集約し、海外拠点の設置をすすめ、現地での販売も強化しています。海外実需者の変化や異なる規格・食味の嗜好など、多様化が進む海外マーケットに対応するため、海外実需者ニーズに適合する商品の数量確保や開発に取り組むとともに、積極的に海外展開する企業等との強固な関係づくりを進めています。
輸出事業の展開イメージ
香港・マカオ・台湾・シンガポール・英国・中国・米国に現地法人を設置し、現地職員と共に各国・地域で販売を強化しています。
海外で事業を展開している中食・外食チェーンや卸売・加工事業者等との出資・提携をすすめています。
海外へ進出する日系外食企業への原材料提供や、日系量販店等の新規海外出店に合わせた国産農畜産物および加工品の積極的な供給に取り組んでいます。
輸出事業に関する全農グループの海外拠点
海外拠点などを通じて直接把握した海外市場のニーズに対応できる供給体制と産地形成を国内で進めています。青果物においては、複数の産地を組み合わせて通年で海外に品物を供給できる体制づくりを進め、米ではコストの低減や複数産地の協力のもと安定供給をはかっています。また、畜産物では和牛をフルセットで購入してくれる顧客を開拓し輸出拡大と集荷力向上に取り組んでいます。加工品では、国産原材料を使用した製品の開発を進め、輸出拡大に取り組んでいます。
JA全農インターナショナル(株)は、台湾やシンガポール、アメリカをはじめ世界各国へニッポンエール商品を輸出しています。
海外展開時には、キャッチフレーズとして
“Nippon Yell’s products are filled with the love and gratitude of Japanese producers. It is a ZEN-NOH brand that continues to create new values with the hope to energize the entire world from Japan.”
「(和訳) ニッポンエールの商品には日本の生産者の愛情と感謝の気持ちがつまっています。新たな価値の創造を続け、日本から世界中を元気にすることに期待を込めた全農ブランドです。」
を用いて、日本産素材の魅力を世界へPRしています。今後もニッポンエールをはじめとした日本産農産物加工品の輸出促進に取り組み、生産者の手取り向上に努めてまいります。
シンガポールのイベントでニッポンエール商品を販売
シンガポールで販売されているニッポンエール商品
現地工場で卵焼きが製造される様子
全農インターナショナル香港(株)とJA全農たまごは、共同出資を行い、2022年5月に鶏卵加工会社「全農國際香港食品有限公司」を設立しました。香港における日本産鶏卵の需要は、その高い品質から急拡大しており、香港で展開する日系外食企業等から高品質な鶏卵加工品の需要があります。当施設では安全・安心な日本産鶏卵を高度な技術で加工し、付加価値を付け、飲食店・消費者の多様なニーズに応えます。
青果物は国内市場向けに生産されたものが市場経由で輸出されることが多く、その結果、輸出先の輸入規制に対応できず廃棄されたり、海外市場において価格競争に陥るなどの課題があります。
こうした課題を解決するために、現地の輸入規制やニーズなどに対応した輸出産地づくりの支援を進めています。
山形県本部、輸出対策部、JA全農インターナショナル(株)青果部および台湾全農インターナショナル(株)が連携し、台湾へのりんご輸出拡大の取り組みを進めています。台湾は青果物の輸入規制が厳しい国ですが、各者が規制対応、通関手続き、鮮度保持などの輸出事業特有の課題に対応しています。また、販売面においては1円でも高く、一つでも多く販売することを心がけ、工夫を凝らした販促活動を行っています。
台湾輸出向けに強化された段ボール
現地販売の様子
台湾向けの包装