トップメッセージ

5年後も10年後も
果敢に挑戦する全農であり続けるために

皆様方には、日ごろ全農グループの事業につきまして多大なるご協力・ご支援を賜り、誠にありがとうございます。

「一人は万人のために、万人は一人のために」
協同組合の父と言われるドイツのライファイゼン(1818-1888)のこの言葉は、共助の精神をあらわすJAグループの行動の源です。
日本は、四季の彩とともに地域ごとに特色をもった農畜産物があり、風土に根づく郷土料理や「祭り」などの伝統文化が形成されています。こうした「日本・日本人のアイデンティティ」の原点を未来へ受け継ぐことはJAグループの役割と考えています。この役割を果たすためにも、協同組合の共助の精神はあらためて評価されるべきです。

さて、全農にとって2020年度は中期3か年計画の2年目にあたります。「全力結集で挑戦し、未来を創る」をキャッチフレーズに、引き続き自己改革の取り組みを加速するとともに、新たな事業領域に果敢に挑戦してまいります。

中期3か年計画では5つの最重点事業施策を定めています。
1つ目は「生産基盤の拡充」です。生産者の減少・高齢化というトレンドに対して担い手の育成や農業ICTの導入、必要なインフラ整備、生産資材のコストダウンなどに取り組んでいます。
2つ目は「食のトップブランドとしての地位の確立」です。MD(マーチャンダイジング)機能の強化によるメーカー・販売先と連携したマーケットイン型の商品開発、契約栽培の推進、実需者への直接販売や、JAタウンなどの多様なチャネルを活用した販売力強化に取り組んでいます。
3つ目は「海外戦略の構築」です。国産農畜産物の輸出拡大のための専用産地の開発や、重点国・地域における営業拠点の整備を進めます。また、海外に依存する肥料や飼料穀物などの生産資材原料の調達力強化にも取り組んでいます。
4つ目は「元気な地域社会づくりへの支援」です。農業の発展は地域の生活基盤が維持されてこそであり、AコープやJA-SSなどの店舗展開、エネルギーインフラ基盤の維持・強化に取り組んでいます。
5つ目は「JAへの支援強化」です。JAの経済事業の在り方を、地域の実情にあわせてJAとともに考え、生産者の多様なニーズへ応えられる体制づくりのお手伝いに取り組み始めています。

2019年度はこのような取り組みを生産者、行政、お取引先のご協力をいただきながら、着実に実践してまいりました。2年目の2020年度はそれをより深化させ、5年後も10年後も挑戦し続ける全農として不断に取り組んでまいります。

新型コロナウイルス感染症という未曽有の事象が世界的に大きな影響を与えています。終息の見えないこの問題に直面し、食と農の現場では様々な変化が生じています。このような環境下でも安心・安全な食料を国民に届けるという責任を、これまでグループ全体で構築してきた「サプライチェーン」を駆使して果たしてまいります。また、海外人材の来日制限などにより生産の現場における労働力不足はより深刻さを増しました。これに対しては他産業からの人材受け入れや地方在住者との人材マッチングに取り組むとともに、スマート農業の普及なども加速させます。
一方で、消費の在り方も日々、変化しています。eコマースを介したネット宅配事業のニーズが急激に高まり、定着していくことが予想されます。
更に、現在の日本は人口減少局面にあり、暮らし方、働き方、消費、流通、農業生産現場、地方がこれまで経験したことのないスピードで変化しています。これらの課題にはJAグループ単独ではなく、様々な企業・団体と広く連携して取り組み立ち向かう必要があり、今後も積極的なアライアンスを進めてまいります。

我が国の農業は先人の努力による素晴らしい礎(いしずえ)のもとに成り立っています。守るべきものは守り、一方で時代の変化を見越して変えるべきものは変え、次の世代につないでまいります。

今後とも全農グループの事業運営につきまして、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いします。

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