トップメッセージ

創立以来50年の挑戦のバトンを、次の50年につなぐ

皆様方には、日ごろ全農グループの事業につきまして多大なるご協力・ご支援を賜り、誠にありがとうございます。

「農は国の基(もとい)」
わが国の農業は、国民に食料を安定的に供給するだけではなく、防災・減災や国土保全等の多面的機能を有し、地域ごとの多彩な食文化や祭りなどの豊かな伝統文化、四季折々の美しい景観を育み、日本のアイデンティティの原点のひとつとなっています。
JAグループとその一員である全農には、地域とそこで農業を営む農家・組合員を支え、このアイデンティティを未来へつなげていく使命があると考えています。

さて、全農にとって2021年度は「全力結集で挑戦し、未来を創る」をキャッチフレーズとした中期3か年計画の最終年度であり、総仕上げの年となります。不断の自己改革に取り組むとともに、引き続き新たな事業領域にも果敢に挑戦してまいります。

中期3か年計画では5つの最重点事業施策を定めています。
1つ目は「生産基盤の確立」です。生産者の減少・高齢化により生産基盤が弱体化しています。労働力支援や担い手の育成、農業ICTの導入、必要なインフラ整備、生産資材のコストダウンなどに取り組んでいます。
2つ目は「食のトップブランドとしての地位の確立」です。MD(マーチャンダイジング)機能の強化によるメーカー・販売先と連携したマーケットイン型の商品開発、契約栽培の推進、実需者への直接販売や、拡大基調のeコマースであるJAタウンなどの多様なチャネルを活用した販売力強化と積極的なアライアンスに取り組んでいます。
3つ目は「海外戦略の構築」です。国産農畜産物の輸出拡大のため、現地企業とのタイアップ、輸出向け産地の開発や、重点国・地域における営業拠点の整備を進めます。また、海外からの肥料や飼料穀物などの生産資材原料の安定調達にも取り組んでいます。
4つ目は「元気な地域社会づくりへの支援」です。地域のくらしを支えるライフラインを維持強化するため、Aコープ会社や燃料供給体制などの事業基盤を整備・強化し、電力事業を核としたホームエネルギー事業にも取り組んでいます。
5つ目は「JAへの支援強化」です。JAの経済事業の課題解決に向けて、地域の実情にあわせてJAとともに考え、生産者の多様なニーズへ応えられる体制づくりのお手伝いに取り組んでいます。

この5つの最重点事業施策に加え、新型コロナウイルス感染症という未曽有の事象が、世界経済、日本の食と農の環境に与えた影響にも柔軟に対応し、生産から消費に至るさまざまな社会課題の解決にも取り組んでいます。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネスモデルの見直しにも着手しているところです。
加えて、SDGsや脱炭素社会の実現など、環境への対応も重要な経営課題であると認識しています。持続可能な日本の食と農の実現のために、国やJAグループのみならず、他企業とも力をあわせるとともに、本会の事業を環境起点で見直す取り組みもまた進めています。

全農は1972年3月30日に創立しました。当時の日本は高度経済成長期の終盤にあり、全農は国民への安定的な食料供給、国際化への対応、農家組合員の所得と生活の質的向上を使命とし、全購連と全販連の合併によって誕生しました。誕生に際し当時の経営陣は使命達成のために6つの目標を定めたと言われています。

  1. 生産販売一貫体制を確立し、総合的事業推進を行う。
  2. 都市に対する販売力を一層強化する。
  3. 生活活動を飛躍的に発展させる。
  4. 系統を一貫する物流システムをつくりあげる。
  5. 加工事業への進出を含めた新事業分野、事業方式を開拓する。
  6. 企画・調査・情報の機能を拡充強化する。

全農の歴史はこの6つの目標にもとづく挑戦の歴史でもあります。そして、2022年3月30日に全農は創立50周年を迎えます。この挑戦のバトンを受け取った我々世代が、次世代につなぎ、生産者、行政、お取引先様とさらに連携し、次の50年も「なくてはならない全農」であり続けるために挑戦してまいります。

今後とも全農グループの事業運営につきまして、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いします。