豚コレラの発生に対するJAグループの防疫強化の取り組みについて

国内において、5府県で17例の豚コレラの発生を確認(平成31年3月30日現在)し、これまで7万頭を超える豚が殺処分され、岐阜県および愛知県では241頭(平成31年3月27日現在)の豚コレラに感染した野生イノシシが発見されています。また、平成30年8月以降、隣国の中国で132か所、ベトナム211か所、モンゴル11か所(平成31年3月28日現在)でアフリカ豚コレラの発生が確認されており、防疫対策の一層の強化が必要です。

JA全農は、JA、県JA、経済連等と連携し、国内養豚生産基盤を維持するため、これまでの取り組みにくわえて、国の方針に沿って、畜産関連施設や畜産農家の日常の防疫対策の強化に、以下のとおり取り組みます。

これまでの取り組み

(1)くみあい配合飼料工場
 国内での豚コレラ発生以降、全国のくみあい飼料工場(総合工場、豚鶏工場)では、1日1回以上の構内消毒ならびに飼料配送車両等の消毒を実施しています。
(2)ハイコープ種豚場
 有機物存在下でも強い除菌力を発揮する過酢酸製剤を用いて踏込み消毒および車両消毒を実施しています。また、ハイコープ種豚およびAI精液の生産農場から一般養豚場への輸送にあたっては、中継地で積替えするなど同一車両で輸送しないよう交差汚染対策を徹底しています。
(3)強い除菌力をもつ過酢酸製剤「ビネパワー」(別紙)の試用配布
 踏込み消毒用として、ハイコープ種豚場や飼料畜産中央研究所でも使用している過酢酸製剤「ビネパワー」5kg(約60日間分:600倍に希釈し、1日50リットル使用した場合)を、岐阜県および愛知県のくみあい配合飼料を利用する養豚農家92戸(系統配合飼料安定基金の加入農家全戸)へ試用配布中です。
(4)防疫強化の啓発活動
 豚コレラの発生が確認された平成30年9月以降、養豚農家、畜産関係者の防疫強化への取り組みを促進するため、啓発チラシを作成し畜産関係者への配布や豚コレラに関する情報をJACCネットホームページに掲載するなどの啓発活動に取り組んでいます。

今後の取り組み

(1)「ビネパワー」を活用した防疫強化
 ア.警戒地域のくみあい飼料工場(3月28日から)および中継基地(4月上旬から)では、「ビネパワー」による飼料配送車両の消毒を実施。
 イ.「ビネパワー」専用の動力噴霧器(車両足回り用、細霧除菌用など)を開発し、飼料工場や食肉センターなど畜産関連施設の防疫強化を実施。
 ウ.全国のくみあい配合飼料を利用する養豚農家への試用配布と普及拡大。
(2)JA職員向け「防疫マニュアル」の作成と地域での防疫研修会の実施。