令和３年７～９月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和３年４～６月期に対し、全国全畜種総平均トン当り４，７００円値上げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
１．飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、３月には５４０セント／ブッシェル前後で推移していたが、その後、南米産地の乾燥天候による作柄悪化懸念に加え、米国農務省が４月に発表した需給見通しで、期末在庫率が下方修正されたことや、中国からの強い引き合いなどを受けて一時７３０セント／ブッシェル台まで高騰した。その後、米国産地で生育に適した天候が続いていることから下落し、現在は６７０セント／ブッシェルを超える水準となっている。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは、南米産新穀へ需要がシフトし始めているものの、引き続き米国産旧穀の需給はタイトであることから底堅く推移している。
今後は、米国産地の夏場の受粉期に向けて天候に左右されるものの、引き続き中国向けの旺盛な輸出需要が見込まれることや、期末在庫が低水準であることから、相場は堅調に推移するものと見込まれる。
２．大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、３月には４４０ドル／トン前後であったが、中国向けの旺盛な輸出需要を背景に、大豆の期末在庫率が歴史的な低水準となったことに加え、米国産地の天候不良による作付遅れ懸念から、４８０ドル／トン台まで上昇した。その後、米国産地で順調に作付が進んだことなどから下落し、現在は４３０ドル／トン前後で推移している。
国内大豆粕価格は、為替が円安となっていることから、値上げが見込まれる。
３．海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、２月には５５ドル／トン前後で推移していたが、旺盛な穀物輸送需要や、原油相場が値上がりしていることに加えて、中国の粗鋼生産量の増加に伴う大型船運賃の高騰などにより上昇し、現在は７０ドル／トン前後で推移している。
今後は、原油相場が高止まりしていることに加え、南米産穀物の輸送需要が本格化することから、海上運賃は堅調に推移するものと見込まれる。
４．外国為替
外国為替は、３月には１０８円前後で推移していたが、米国の追加経済対策による経済活動回復への期待感の高まりや好調な経済指標から円安がすすみ、現在は１０９円台で推移している。
今後は、米国経済の回復への期待感があるものの、低金利政策が継続することから、一進一退の相場展開が見込まれる。
以上から、外国為替は円安で推移していることに加え、とうもろこしのシカゴ定期や大豆粕価格が値上がりしていること、海上運賃が値上がりしていることから、令和３年７～９月期の配合飼料価格は前期に比べ値上げとなる。
本会は国産飼料用米の利用、生産者の生産性向上支援などに引き続き取り組んでまいります。
