令和3年10~12月期の配合飼料供給価格改定について

令和3年10~12月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和3年7~9月期に対し、全国全畜種総平均トン当り1,250円値下げすることを決定しました。

なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なり、一部の畜種・銘柄では値上げとなります。

飼料情勢は以下のとおりです。

1.飼料穀物

6月には660セント/ブッシェル前後で推移していましたが、6月末に発表された作付け面積調査結果が市場予想を下回ったことや、高温乾燥による作柄悪化懸念などから、一時700セント/ブッシェル前後まで上昇しました。その後、米国産地での天候改善による新穀収穫への期待感などから下落し、現在は520セント/ブッシェル前後で推移しています。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは、米国産とうもろこしの期末在庫が減少している中で、端境期を迎えて、需給が引き締まっていることから堅調に推移しています。
今後は、南米産の生産量減少により、中国向けを中心とした輸出需要が米国産に集中すると予想されることから、相場は底堅く推移するものと見込まれます。
また、主に肉牛用飼料に使用される大麦の相場は、北米で発生した旱魃により生産量が減少し、需給が逼迫する見通しとなったことから、値上げとなります。

2.大豆粕

大豆粕のシカゴ定期は、6月には430ドル/トン前後でしたが、米国産地で作付が順調に進んだことや、その後も生育に適した天候となったことなどから下落し、現在は370ドル/トン前後で推移しています。
国内大豆粕価格は、シカゴ定期の下落により、値下げが見込まれます。

3.海上運賃

米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、5月には60ドル/トン前後で推移していましたが、堅調な穀物輸送需要や原油相場の上昇に加え、中国向け石炭輸送需要が増加していることから急騰し、現在は80ドル/トン前後で推移しています。
今後は、原油相場が高止まりしていることに加え、北米産新穀輸出が本格化することから、海上運賃は堅調に推移するものと見込まれます。

4.外国為替

外国為替は、6月には109円前後で推移していましたが、米国における順調な経済回復と、金融正常化への期待感などから円安がすすみ、現在は110円前後で推移しています。
今後は、米国経済の回復に伴い量的緩和の縮小が予想されており、長期金利の上昇およびドル高要因となるものの、新型コロナウイルス感染の再拡大による米国景気への影響も懸念されることから、一進一退の相場展開が見込まれます。

以上から、海上運賃は値上がりしているものの、とうもろこしのシカゴ定期と大豆粕価格が値下がりしていることから、令和3年10~12月期の配合飼料価格は前期に比べ値下げとなります。
ただし、大麦価格などの値上がりにより、一部の畜種・銘柄については値上げとなります。