令和6年1~3月期の配合飼料供給価格改定について

令和6年1~3月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和5年10~12月期に対し、全国全畜種総平均トン当り約2,800円値上げすることを決定しました。

なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。

飼料情勢は以下のとおりです。

1.飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、9月には480セント/ブッシェル前後で推移していましたが、ウクライナ情勢の悪化などにより、10月には490セント/ブッシェル前後まで上昇しました。その後、米国産地での収穫が順調にすすんだことなどから軟調な展開となり、現在は480セント/ブッシェル前後で推移しています。
今後は、南米産の作付けや生育状況などに左右される相場展開が見込まれます。

2.大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、9月上旬には440ドル/トン前後でしたが、米国産大豆の収穫が順調にすすんだことなどから軟調に推移し、10月初めには410ドル/トン台まで下落しました。その後、高温乾燥による南米産大豆の作柄悪化懸念などから急騰し、一時500ドル/トンを超える水準まで上昇しましたが、南米での天候改善予報を受け、現在は450ドル/トン前後で推移しています。
国内大豆粕価格は、シカゴ定期の上昇および為替円安の影響などから値上がりが見込まれます。

3.海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、8月初旬には50ドル/トン台前半で推移していましたが、 10月30日にパナマ運河庁が、干ばつの影響による運河の水位低下のため、例年は1日あたり約40隻であった運河の通航数を11月以降段階的に減少させ、来年2月には1日あたり18隻程度に制限すると発表したことなどから高騰し、現在は60ドル/トン前後で推移しています。また、パナマ運河の通航制限により、スエズ運河や喜望峰(南アフリカ)を経由した東回りの航路へ変更となり、航海日数が増加することから増嵩運賃が生じています。
パナマでは1~4月は乾季となり運河水位の改善が見込めず、運河の通行制限は継続される見通しから、今後の海上運賃は堅調に推移することが見込まれます。

4.外国為替
外国為替は、9月上旬には146円前後で推移していましたが、日本が金融緩和政策を維持するなかで、米国では経済指標が好調なことから利上げを実施し、日米金利差が拡大した状況などから11月上旬には一時151円台まで円安がすすみました。その後、米国の経済指標の悪化により利下げ観測が高まったことや、日本の金融政策の修正観測の高まりなどから、現在は143円前後で推移しています。
今後は、日米金利差は引き続き円安要因となるものの、金融引き締めによる米国経済の景気悪化も懸念されることなどから、一進一退の相場展開が見込まれます。

以上から、とうもろこしのシカゴ定期は下落したものの、前期に比べ海上運賃の上昇や為替の円安などによりとうもろこし・大豆粕価格が値上がりすることなどから、令和6年1~3月期の配合飼料価格は前期に比べ値上げとなります。