令和6年4~6月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和6年1~3月期に対し、全国全畜種総平均トン当り約4,600円値下げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1.飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、12月には480セント/ブッシェル前後でしたが、1月12日発表の米国農務省需給見通しで、米国産とうもろこしの生産量が史上最高となる見通しとなったことに加え、南米産地においても良好な天候を受け豊作見通しとなることなどから軟調に推移しており、現在は440セント/ブッシェル前後で推移しています。今後は、米国産新穀の作付や天候状況などに左右される相場展開が見込まれます。
2.大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、12月上旬には450ドル/トン前後でしたが、南米産地での良好な天候を受け大豆が豊作見通しとなったことに加え、バイオディーゼル向けの大豆油需要の高まりにより副産物である大豆粕の発生量が増加していることなどから軟調に推移しており、現在は370ドル/トン前後で推移しています。国内大豆粕価格は、大豆粕のシカゴ定期が下落していることなどから、大幅な値下がりが見込まれます。
3.海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、11月後半にはパナマ運河の通航制限を受け、65ドル/トンを超える水準まで急騰しましたが、パナマ航路を回避する動きが見られたことや原油相場の下落などから50ドル/トン台前半まで下落しました。その後、南米産大豆の輸送需要が増加していることなどから、現在は60ドル/トン台で推移しています。なお、パナマ運河の通航制限により、一部東回り航路による増嵩運賃は引き続き発生しています。例年4月までは、パナマは乾季のため運河水位の改善が見込めず、運河の通行制限は継続される見通しであることに加え、南米産大豆の輸送が本格化することから、今後の海上運賃は堅調に推移することが見込まれます。
4.外国為替
外国為替は、12月初旬には147円前後で推移していましたが、早期に金融緩和政策の修正が実施されるとの観測が強まったことで12月末には142円を下回る水準まで円高がすすみました。その後、1月1日に発生した能登半島地震により金融緩和政策の早期修正観測が後退したことなどから150円を超える水準まで円安がすすみました。3月に入り、日本のマイナス金利解除観測などから一時147円前後まで円高がすすみましたが、現在は150円前後で推移しています。今後は、引き続き日米金利差の動向に左右される相場展開が見込まれます。
以上から、とうもろこしや大豆粕のシカゴ定期が下落したことにより、とうもろこしや大豆粕価格が値下がりとなることなどから、令和6年4~6月期の配合飼料価格は前期に比べ値下げとなります。