JA全農は営農管理システム「Z-GIS」と日本農薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:岩田浩幸、以下日本農薬)の「レイミーのAI病害虫雑草診断(以下「レイミー」)」に新規搭載される“記録機能”を連携できる新サービスを2025年4月より提供します。
本サービスは“地域の農業データの簡単記録&可視化”をテーマに開発を行っています。この連携により、病害虫や雑草の対策や農作業の効率的な記録が実現し、農業現場での課題把握が飛躍的に向上することが期待されます。
本機能は「Z-GIS」ユーザーが、「レイミー」連携に係るオプション(有料)を申し込むことにより利用が可能となります。
(1)サービス開発の背景
近年、気候変動や物流の活発化により、地域外から侵入する病害虫や雑草の発生・拡散が問題となっています。この課題に対応するため、病害虫や雑草の発生情報をできるだけリアルタイムに把握・管理するニーズが高まっています。
また、農業現場で防除管理を担う普及指導員やJA指導員の人手不足が深刻化する中、パソコンやスマートフォンの操作が苦手な方でも簡単に利用できるツールの必要性が高まっています。全農と日本農薬は、誰でも簡単に使えるサービスを開発するため今回の連携を進めてきました。
(2)システム連携の概要
データの記録、可視化のイメージ

(3)記録機能の概要
「レイミー」には、スマートフォンで撮影した画像に病害虫や雑草、作業内容をタグ情報と一緒に簡単に記録できる新しい“記録機能”が搭載されます。この機能は、スマートフォン操作に不慣れな方でも簡単に使えるように設計されており、位置情報や日時が自動で取得されるため、農業現場でのデータ管理がより手軽になります(本機能は2025年3月の実装を予定)。
「Z-GIS」ユーザーは「レイミー」ユーザーの認証を受けることで、「レイミー」の“記録機能”のデータを「Z-GIS」で取得できるようになります。複数ユーザーから取得された記録データはタグ情報、写真情報と共に「Z-GIS」の地図上に表示されます。これにより、指導員や農業者が地域全体の状況を簡単に把握し、作業や病害虫対策の判断に役立てられます。
※本連携は完全な承認制です。不特定多数にレイミーのデータが無断利用されることはありません。
(4)システムについて
ア.「Z-GIS」は全農が提供する営農管理システムです。高精細な地図上にマウス操作で簡単に圃場ポリゴン(区画情報)が作成でき、そこにユーザーが登録したい情報をエクセル形式で入力し紐づけることで、圃場の位置と営農情報を効率的かつ自由度高く管理できるようになります。「スマート農業のプラットホーム」としてJAグループの担い手サポーターであるTACを中心に普及活動を展開中です。
イ.「レイミーのAI病害虫雑草診断」は日本農薬が2020年にリリースした、日本農薬と株式会社NTTデータCCSが共同開発したAIを活用したスマートフォン専用の防除支援ツールです。作物や田畑に発生する病害虫や雑草を写真から診断し、表示された診断結果から利用者が選択した防除対象に有効な防除薬剤の情報を提供します。
(5)想定される主な活用シーン
ア.【病害虫の分布状況の把握】
圃場の病害虫発生情報がタイムリーに収集され、病害虫の拡散リスクを迅速に評価できます。
イ.【簡易な農作業記録と管理】
圃場で写真を撮るだけで農作業の記録をすることができます。圃場での作業情報が一元的に管理され、農作業の進捗状況を把握しやすくなります。
ウ.【災害時の迅速な被害の把握】
霜や大雨などの災害情報も簡単に記録でき、迅速な被害把握をすることができます。これにより効果的な対策の検討が可能になります。