多収で良食味の中生品種 水稲新品種「ZR2」農研機構との共同育成について

全国農業協同組合連合会(代表理事理事長:桑田 義文、以下、JA全農)と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(理事長:久間 和生、以下、農研機構)は関東以西向けに、いもち病に強く、縞葉枯病抵抗性を持つ、中生の業務用多収品種「ZR2」を共同で育成しました。

今後、中食や外食を中心とした業務用実需者に対して本品種の提案を進め、令和10 年産までに関東~西日本を中心に500ha、令和12年産までに2,000haの作付けを目指していきます。

1.育成の背景

JA全農では、生産者の営農の安定・所得の拡大に加え、拡大する業務用需要に対応するため、実需者からのニーズに応じた契約栽培など、生産提案型事業を進めています。

契約栽培の取り組みを進めていく中で、実需者からは「良食味で加工適性の高い米を使用したい」、また生産者からは「作期分散が可能で栽培しやすい早生品種を提案してほしい」などの要望が多く出されました。

このため、JA全農は農研機構と共同で新品種の開発に着手し、農研機構が交配、開発してきた有望系統をJA全農が生産者、実需者ニーズの観点から選抜するという分担により、令和5年12月に、耐倒伏性があり、病害に強く、多収で良食味の早生品種「ZR1」を発表しました。この「ZR1」に続き、異なる作期に対応するため、多収で良食味の中生品種の育成を進めてきました。(本品種は育成段階において国立研究開発法人国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点(沖縄県石垣市)で世代促進栽培を実施しました。)

2.新品種の特徴

「ZR2」は育成地(農研機構作物研究部門、茨城県つくばみらい市)において「コシヒカリ」、「とよめき」と同程度の熟期で、収量は標肥移植栽培※1では687kg/10a(令和2年~6年の平均)、多肥移植栽培※2では739kg/10a(令和3年~6年の平均)で、全国で広く栽培されている「コシヒカリ」より約2割多収です。現地試験では最大で766/10a(茨城県水戸市、令和4年)の収量が得られました。葉いもち・穂いもちのいずれに対しても抵抗性はやや強で、縞葉枯病抵抗性があり、関東以西の幅広い地域での栽培が期待できます。

また、食味は「とよめき」より良好です。短稈で耐倒伏性は“強”、屑米割合は「コシヒカリ」の1/4程度と少なく品質が安定する特徴があります。

※1 標肥(窒素施肥量が基肥8kg/10a)での移植栽培

※2 多肥(窒素施肥量が基肥12kg/10a)での移植栽培

3.品種名の由来

 今後の日本を担う若い世代(Z世代)をはじめとした生産者・消費者に広く浸透して欲しいという思いから、JA全農(ZEN-NOH)が開発し、究極のお米(Rice)の第2号として、各英字の頭文字を取り「ZR2」と命名しました。

写真1.「ZR2」の株標本

左:ZR2、中:とよめき、右:にじのきらめき

(撮影:農研機構)

写真2.「ZR2」の籾および玄米(茨城県つくばみらい市、令和5年産)

左:ZR2、中:とよめき、右:にじのきらめき

(撮影:農研機構)