米流通に関するファクトブック

米の生産から流通と価格の仕組み、JAや卸売業者の役割や備蓄米制度などに関する基礎情報をまとめた「コメ流通に関するファクトブック」の内容を紹介します。

お米が農家から食卓に届くまでのプロセス

米の流通について

農家が生産したお米を、各事業者が専門性を発揮して、鮮度と品質を管理しながら、全国各地へ流通させることで、消費者においしい状態でお届けしています。

主食用米等の作付面積と生産量

主食用米の需要量は⾧期的に減少傾向で推移しており、2010年以降は毎年10万t程度のペースで減少しています。

これに伴い、作付面積および生産量も減少しています。

【図表1】主食用米の作付面積と生産量の推移

生産者(経営体)数の推移

基幹的農業従事者は、19年間(2005年~2024年)で約110万人減少しています。

【図表2】基幹的農業従事者数の推移

日本の総人口を基幹的農業従事者で割り返すと、基幹的農業従事者1人で支える日本人口は、2010年の62.4人から2020年には92.5人となっており、基幹的農業従事者が支えなければならない日本人口は増加傾向にあります。

【図表3】日本人口と基幹的農業従事者の推移

生産者(経営体)の集約と高齢化

水稲作付の平均面積は毎年少しずつ拡大しています。
とりわけ、大規模生産者への経営譲渡・作業委託の進展により、5.0ha未満層の比率は減少し、5.0ha以上層の比率が増加しています。

【図表4】水稲作付面積およびシェア

2024年の基幹的農業従事者の平均年齢は69.2歳と、2005年と比べて5.0歳上昇しており、農業現場の高齢化が進んでいます。

【図表5】基幹的農業従事者の高齢化

米生産に係る費用

米の生産コストは、水田の大規模担い手への集積が進み、漸減傾向にあったが、2022年から2023年にかけて、肥料費・農業薬剤費をはじめとする物財費が高騰しました。

物財費は高止まりが懸念されるとともに、労働費は今後上昇していくことが想定されます。

【図表6】60kg当たり生産費の推移

生産コストと販売価格

生産コストと販売価格を比較すると、生産者は販売価格で生産コストを賄えていない状況が続いてきました。

15ha以上の層をみると、多くの年で生産コストが販売価格を下回りますが、水稲生産に占めるシェアは人数で2%未満、面積で1/4程度です。水稲生産基盤の維持のためには、15ha未満の層を含めた営農の継続を確保する必要があります。

【図表7】米の生産コストと販売価格の比較

関連リンク

米生産・流通の現状と全農の取り組みに係る記者説明会

2025年6月25日に実施した「米生産・流通の現状と全農の取り組みに係る記者説明会」の動画です。資料とあわせてご覧ください。