日本の農畜産業は今、危機的な状況にあります。
このままでは未来に安全・新鮮な国産農畜産物を残すことができません。
再生産可能な農畜産業の経営のため、皆様のご理解とご支援をお願いします。

【動画コンテンツ】

「今日の『あたりまえを未来へ』」
農畜産物が「あたりまえ」に手に入る日常は農業によって支えられています。
農業は高齢化や資材高騰で窮地に立たされています。私たちはそれらの課題に取り組んでいますが、いまの「あたりまえ」が続くために、みなさんも「国産の農畜産物を食べる」ことで農業を支えていただきたいとの想いで制作いたしました。

【Q&A】

Q1 どれぐらい危機的な状況なの?

A1

国産農畜産物の生産に必要なほとんどの資材が値上がりしています。2020年に比べて、野菜、果物やお米を大きくするために必要な肥料や、家畜を育てるために必要な飼料の価格は直近では約1.5倍に、農業機械を動かしたりハウス内の温度を上げるための重油の価格は1.4倍となっています。

一方で、農畜産物の価格は同じく2020年に比べて、全体では直近でも4%程度(2022年平均では1%程度)しか値上がりしていません。お米では値下がりしています。今の農畜産物価格は生産コストを十分に賄える持続可能な価格とはなっていません。

(2023年1月資材価格:農林水産省「農業物価統計調査」より

Q2 どうして生産コストが上昇しているの?

A2

世界情勢が大きく影響しています。世界規模での人口増加に加えて、一部の国が世界中から食料を買い進め、国際市場における穀物価格が高騰しました。そのため穀物を育てるために必要な肥料価格が高騰しています。さらに2022年のロシアによるウクライナ侵攻によって、肥料やエネルギーの輸出国であったロシアからの輸出が停滞したこと、穀物の主要輸出国の一つであるウクライナからも穀物の輸出ができなかったことなどから、国際的な穀物相場が続伸しました。加えて円安も生産コストの上昇に拍車をかけています。ほとんどを海外からの輸入に頼っている日本の畜産向け飼料価格も過去最高値を更新しました。

Q3 なぜ生産コストが上がっても国産農畜産物の価格は上げられないの?

A3

加工食品のほとんどが原材料価格の高騰を理由に値上がりしています。一方で農畜産物の価格は、生産コストの変動に関係なく、需要と供給のバランスによって決まっているからです。これは、自然環境によって生産量や品質が左右されやすいという農畜産物固有の事情があるためです。また直近では、コロナ禍で日本全体の消費が落ち込む中で、農畜産物の生産量に対して需要が少なくなり、価格が低迷したことも影響しました。一部、鶏卵については価格が上昇していますが、これは鳥インフルエンザの影響により鶏の羽数が大幅に減少しているためです。

Q4 私たちの生活にどんな影響があるの?

A4

今私たちは豊富な食材に囲まれて、新鮮な国産農畜産物をいつでも買うことができるのが当たり前の世の中に生きています。ただし、日本の農畜産業の危機的な状況が続けば、生産者は急激に減って、私たちが必要とする農畜産物が十分に買えない時代が来るかもしれません。近年、食料安全保障についてメディアなどの報道を聞く機会が増えていると思います。食料危機は発展途上国の問題ではなく、未来の日本の食卓の問題でもあるのです。

Q5 JA全農はどんなことをして農家を支援しているの?

A5

JA全農は地域のJAとともに生産者に様々な支援を行っています。例えばできるだけ肥料を減らすために、土壌診断という方法で土の中の栄養状態を確認して、必要な肥料だけを入れればよいよう支援しています。また畜産では国産の飼料原料の活用や、家畜から出てくる堆肥を有機肥料として耕種農家に提供する耕畜連携の取り組みを進めています。またICTを活用して効率的に圃場の管理をしたり、AIで病害虫のリスクを早期に発見する技術の導入も支援しています。このようにして生産コストを様々な方法で低減する取り組みをサポートしています。

Q6 私たちにできることはあるの?

A6

消費者の皆様には国産の農畜産物を「選んで」「たくさん食べて」いただきたい、それが生産者の願いです。皆さんの今日のお買い物が、皆さん自身、そして子供たちが安全・安心な国産農畜産物を選び続けられる未来につながります。

【お米に関する情勢を詳しく解説した動画】

【広告デザイン】


2023年3月に新聞広告を掲載しました
全国紙・ブロック紙・一部地方紙


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