全農米穀部における環境負荷低減の取組み

農業にも大きな影響を与えている近年の気候変動に、
生産者から消費者までのサプライチェーン全体で対応する好循環を目指しています。

農業にも大きな影響を与えている近年の気候変動に、生産者から消費者までのサプライチェーン全体で対応する好循環を目指しています。

目指す姿

全農米穀部は、産地における環境負荷低減の取組み拡大を目指しています。
また、全農米穀部が取扱うJA米やそれに準じる制度の米穀(以下「JA米等」)について、現在の「温室効果ガス排出量の数値化が可能」という段階から前進し、環境負荷低減の取組みを実践する「環境負荷低減米穀」、としていくことを目指します。

気候変動における世界情勢・日本情勢

地球温暖化の進行により世界各地で気候変動が深刻化し、さまざまな影響や被害が発生しています。これに対応するため、京都議定書やパリ協定といった国際的な枠組みが定められ、各国において温室効果ガス削減に向けた施策が講じられています。日本国内においても、官民を問わず排出量の把握や削減の実践が広がり、それに基づく制度整備が進んでいます。
日本の農業では、猛暑や豪雨など、異常気象の影響が年々増加しています。持続可能な農業経営を実現するためには、公的制度の有無にかかわらず、温室効果ガスの削減に主体的に取組むことが課題となっています。
こうした動向を踏まえ、農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」では、日本の米作りにおいても、将来に向けた目指す姿や具体的な方向性が示されています。
全農米穀部では、この考え方を米穀流通に取り入れ、産地における取組みを「見える化」し、実需者まで分かりやすく伝えることが重要だと考えています。

参考:みどりの食料システム戦略トップページ:農林水産省 (maff.go.jp)

全農米穀部におけるこれまでの環境負荷低減の取組み

世界や国の動向、ならびに社会的責任を踏まえ、全農米穀部では2021年より、環境負荷低減米穀の仕組み構築について、検討を開始しました。2023年には、水稲における温室効果ガス排出量の低減に向けた施策として、「秋耕」の拡大を推進するとともに、圃場段階および輸送段階における温室効果ガス排出量の算定方法の構築に着手しました。
2024年には、これらの温室効果ガス排出量の算定の仕組みを既存の流通制度に組込む方法について検討を進めました。

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※秋耕とは、収穫後速やかに稲わらをすき込むことで、水田からの温室効果ガス排出を低減する栽培方法です。

全農米穀部における今後の環境負荷低減の取組み

2024年までの検討をふまえて、全農米穀部では、「温室効果ガスの削減に資する作業をおこなう」という新たな価値を付与した「環境負荷低減米穀」に取組むことをめざすこととしました。

ただし、すべての米穀においてこれを実践するには、生産者への周知、技術の確立、社会全体の理解醸成など、相応の時間を要します。このため、その第1歩として、令和7年産の主食うるち米から、「温室効果ガス排出量の数値化」とお取引先様への開示(※次項に詳述)を、新たに開始いたしました。

今後は、「環境負荷低減米穀」の実現に向け、全農米穀部として水稲における温室効果ガス排出量の更なる低減のため、検討と実践を続けていきます。

全農米穀部における開示情報について

全農米穀部は、栽培履歴記帳からは圃場段階(平均値)、輸送実績からは輸送段階の算定を年産・県産別におこない、お取引先様に対して、「圃場段階」+「輸送段階」の合計値で、温室効果ガス排出量を開示します。

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お取引先様は、全農米穀部が開示する環境負荷低減米穀の温室効果ガス排出量について、自社におけるScope3の温室効果ガス排出量算定や、CSRレポート等の根拠資料として活用することが可能となります。全農米穀部の開示情報は、生産者の栽培履歴記帳にもとづきますので、生産者の秋耕等の取組みが拡大することで、さらなる温室効果ガス排出量の削減へとつながります。

環境配慮の対応が社会的に重視されるなか、お取引先様に情報活用いただくことは、JAグループの環境対策支援にもつながり、生産者のさらなる取組みが期待されます。

好循環のイメージチラシ [PDF:2.0MB]

JA米の現状と今後

JA米等は、もともと「栽培履歴記帳の確認」を要件としており、生産者まで遡ったトレーサビリティ確保が可能です。
令和8年産からはこれに加え、「秋耕」など、環境負荷低減に関する項目を新たに設けることで、生産者の作業情報をより精緻に把握できるようになります。

環境負荷低減の取組みがステークホルダーも含めたサプライチェーン全体に広がった段階で、JA米等においても、現在の「温室効果ガス排出量の数値化」が可能な段階から、環境負荷低減の取組みを実施した「環境負荷低減米穀」としていくことを目指します。

JA米のページ

ガイドラインについて

全農米穀部では、お取引先様に開示するJA米うるち米等の温室効果ガス排出量の数値にかかる算定方法および算定結果利用ガイドラインを定めています。
全農米穀部のお取引先様に対し、数値開示とガイドラインの提供をおこないますので、各米穀販売事業所へお問合せください。