米流通に関するファクトブック

消費の動向

スーパーでの精米販売数量は、2024年8月に買い込み需要により前年を大きく上回り、9月上旬以降その反動で前年を下回って推移しました。足下は概ね前年並みで推移しています。

【図表8】スーパーでの販売数量の推移(POSデータ、農林水産省公表)

中食・外食の消費は、2024年4月から2025年3月までの一年間で前年比100%となっており、堅調に推移しています。

【図表9】一人当たり月間精米消費量の推移(米穀機構「米の消費動向調査」)

民間在庫の動向

2024年6月末民間在庫は153万tと、近年では最も低い水準です。

  • 民間在庫とは、年間玄米仕入量500t以上の出荷段階(全農、JA等の出荷業者)の在庫量と年間玄米仕入数量4,000t以上の販売段階(米卸等の販売業者)の在庫量を対象に調査した合計(出荷段階+販売段階)となります。

【図表10】民間流通米6月末在庫の推移

米の需要の動向と今後の見通し

主食用米の需要量は⾧期的に減少傾向で推移しており、2010年以降は毎年10万t程度のペースで減少しています。

【図表11】主食用米の需要量の推移

日本の総人口の減少もあり、将来的には国内における需要量は減少傾向にあると見込まれます。

【図表12】日本の総人口の推移

相対価格・市中価格とは

農林水産省は毎月、取扱規模が5,000t以上の業者より報告を受け、相対価格を公表しています。この価格は、概ね大ロットの安定的な取引価格であり、年産を通じて基本的に大きな変動はありません。

【図表13】農林水産省公表相対価格(2025年3月)

一方で、業者間の小口スポット取引は、相場に応じた取引が行われることが多く、短期間で大幅に変動する場合もあります。

  • 市中価格:民間業者間のスポット取引価格。関東着・大阪着、包装込。なお、足下の流通量は限定的とされます。

【図表14】23・24年産市中価格(~2025年4月)

JA(農業協同組合)の米穀事業

JAは、稲作農家の営農の継続に向けて、営農指導や資材供給、米穀の集荷・販売、農産物検査、共同乾燥調製施設や農業倉庫の運営など様々な事業を行っています。

 【図表15】JA(農業協同組合)について

【図表16】米穀事業におけるJAの取り組み

産地別価格の決まり方

新米の出荷は、7月下旬の九州・四国の早場米から始まり、順次、東日本の普通期米産地へと移ります。また、晩生米の産地においては11月中・下旬の収穫・出荷となる地域もあります。

米は年一作であり、価格は年産ごとに米の出回り時期に応じ、需給・価格動向や販売見通しなどもふまえ、県産・銘柄ごとに順次決定されます。

【図表17】米の出荷開始時期

米の概算金とは

概算金とは、JAグループが米を集荷する際に支払う一時払い金です。

概算金単価は、販売価格や販売経費(運賃や保管料など)の見込み、集荷環境等を勘案し、県ごと・JAごとに設定します。

概算金には、全農県本部や経済連の県段階組織がJAに支払う「JA概算金」と、JA概算金を受けてJAごとに決定し生産者へ支払われる「生産者概算金」があります。

なお、概算金単価は固有の取引情報のため、全農では開示は行っていません。

【図表18】概算金とは(決まり方や特徴など)

関連リンク

米生産・流通の現状と全農の取り組みに係る記者説明会

2025年6月25日に実施した「米生産・流通の現状と全農の取り組みに係る記者説明会」の動画です。資料とあわせてご覧ください。