米流通に関するファクトブック

トータル生産コスト低減の取り組み

生産資材価格が高止まりするなか、全農は生産者所得の確保に向け、効率的な生産や経営に資する技術の導入を進めています。

また、水稲直播技術、自動給水機を活用した水稲水管理、ドローンによる水稲用除草剤散布など、生産者の多様なニーズに対応をしています。

【図表26】水稲直播技術

水田に直接種をまくことで、育苗・田植えの工程を省略し、労働生産性を向上(日本農業新聞引用)

【図表27】自動給水機を活用した水稲水管理

遠隔操作による給水で労力を削減するとともに肥料や除草剤の効果を最大化

【図表28】水稲用除草剤散布の省力化

水田に入らず散布できる剤型の開発やドローン散布の普及により省力化を実現(JA全農撮影)

政府備蓄米制度の目的と運用について

政府米の備蓄については、適正備蓄水準を100万t程度として運用(10年に1度の不作(作況92)や、通常程度の不作(作況94)が2年連続した事態にも国産米をもって対処し得る水準)。

備蓄運営については、政府による買入・売渡が市場へ与える影響を避けるため、通常は主食用途に備蓄米の販売を行わない棚上備蓄を実施(備蓄米を供給するのは、大不作などの場合のみ)。

基本的な運用としては、適正備蓄水準100万t程度を前提とし、毎年播種前に20万t~21万tを買入れ、通常は5年持越米となった段階で飼料用等として販売する。

政府備蓄米は大不作時に供給、100万t程度で備蓄、5年持越し段階で飼料用等で販売(農林水産省)

政府備蓄米の競争入札と随意契約の違い

政府による備蓄米の買戻し条件付き売渡しは、2025年3月から4月にかけて合計3回の入札が実施されました。

随意契約は、買戻し条件は付されず、2025年5月より大手小売業者等を対象に売渡しが行われています。

【図表29】政府備蓄米売渡しの概要

政府備蓄米の買戻し条件付売渡しについて(農林水産省)

政府備蓄米売り渡しのイメージ(一般競争入札・随意契約)(JA全農作成)

全農の政府備蓄米受渡フロー

全農は、政府備蓄米(玄米)を国から買受けた後、全農物流(株)が保有する米穀の広域輸送網をフル活用し、トラックや貨車等で販売先(米穀卸)が指定する受渡場所に搬入します。

販売先を通じて実需者に精米製品が納品されるまでおおむね2~3週間を要します。

販売先から量販店(スーパー等)へは、販売先が製造の都度、精米商品を出荷します。

【図表30】全農の政府備蓄米受渡フロー

JA全農の政府備蓄米受渡フロー(国→全農→米穀卸→実需者)(JA全農作成)

関連リンク

米生産・流通の現状と全農の取り組みに係る記者説明会

2025年6月25日に実施した「米生産・流通の現状と全農の取り組みに係る記者説明会」の動画です。資料とあわせてご覧ください。