2019年度 事業概況

2019年度(第49年度)事業概況

(2019年4月1日から2020年3月31日まで)

連合会の事業活動の概況に関する事項

事業の概況

 3か年計画の初年度にあたる2019年度は、度重なる自然災害や豚熱(CSF)等の重要家畜疾病の発生、青果物や畜産物を中心とする市況の低迷、消費税増税による消費意欲の減退など、生産者にとって厳しい年となりました。
 2018年の農業総産出額は9.1兆円と3年ぶりに減少し、49歳以下の若手新規就農者も5年ぶりに2万人を割り込むなど、これまでの明るい兆しに陰りが見え始めています。また、ドライバー不足等により、農畜産物の物流にも悪影響が出始めており、早急な対策が求められています。
 さらに、年明けからの新型コロナウイルス感染症の拡大によって、国内の経済・生活全般に渡り、未曽有の危機に直面する事態となりました。本会は、感染防止対策をすすめつつ、生産者の営農と農畜産物の安定供給を確保するため、事業継続に取り組みました。今後は、新型コロナウイルス感染症の事業への影響をふまえながら、国産農畜産物の自給率向上と消費拡大に向け、JAグループが一体となった対応措置を講じます。

 本会は、「すべては組合員のために、そして消費者、国民のために」という基本姿勢のもと、自己改革の加速化に加え、5つの最重点事業施策(1.生産基盤の確立、2.食のトップブランドとしての地位の確立、3.元気な地域社会づくりへの支援、4.海外戦略の構築、5.JAへの支援強化)の実践を、本会グループ一丸となり、以下のとおりすすめました。

 「自己改革の加速化」では、米・青果物の直接販売と買取の拡大や、肥料の銘柄集約・集中購買、農薬担い手直送規格の取扱拡大、大型トラクターの共同購入と中型機の開発要求、全国標準規格段ボール箱への集約拡大などに取り組み、生産者の所得向上をはかりました。
 「生産基盤の確立」では、現場のニーズに対応した労働力支援の実践、農業ICTなど革新的な技術や資材の導入・普及、出荷作業の軽減等に対応した広域集出荷施設の整備や物流合理化に加え、コスト削減に資する購買品目の供給拡大に取り組みました。
 「食のトップブランドとしての地位の確立」では、全農グループMD部会等を通じて、コンビニエンスストアや量販店、食品メーカー、グループ会社と連携した新たな商品開発をおこない、国産農畜産物の需要拡大に取り組みました。あわせて、本会グループ会社等との共同営業による販売強化や、eコマース事業の拡大、中食・外食事業の展開など販売チャネルの多元化をはかりました。
 「元気な地域社会づくりへの支援」では、ライフライン店舗の業態転換や直売所を併設した大型Aコープ店舗の設置拡大、農泊事業モデルの開発、SSのセルフ化に取り組み、特にホームエネルギー事業では、組合員家庭向け電力供給を開始しました。
 「海外戦略の構築」では、香港でのeコマース自社サイトの開設や、台湾での日本産農畜産物直売所設置などの既存輸出国における販路を拡大するとともに、輸出用産地の拡充、国産和牛の供給体制の確立をはかりました。また、今後、有望視される中国マーケットを見据えて現地営業拠点の設置準備をすすめました。原料購買では、肥料原料の安定調達や、米国・ブラジル・カナダにおける穀物集荷・販売機能の強化による飼料原料の有利・安定確保に取り組みました。
 「JAへの支援強化」では、専任部署を新設し、中央会や農林中金、信連等と連携した事業・収支分析をふまえた「経済事業強化メニュー」にもとづき、JA経済事業の基盤強化・経営改善に取り組むとともに、特に県域JA(2JA)については、本会職員が改善計画の策定作業に参画し、実践に向けた支援をおこないました。

 これらの取り組みにあたっては、コンプライアンス・リスク管理の強化に加えて、資産管理の強化やシステム基盤の整備、人事制度の見直し、本会グループ内の事業連携・会社再編など、経営資源の有効活用をすすめました。あわせて、組織内外に向けて積極的に情報発信をおこない、JAグループに対する理解醸成をはかりました。

 被災地への支援では、甚大な被害をもたらした台風・豪雨の被災地の復旧に向け、職員の派遣、パイプハウスの早期再建、災害対策要領にもとづく助成措置を通じて、被災圃場やJA施設等の復旧・復興支援に取り組みました。また、引き続き「全農東北プロジェクト」を核とした東北産農畜産物の販売拡大などに取り組みました。
 国内で感染が拡大した豚熱(CSF)等の重要家畜疾病への対策としては、「防疫マニュアル」を作成するとともに、「JAグループCSF・ASF対策強化支援事業」を通じ、被災した生産者の再建に向けた支援をおこないました。

 経営概況については、その他経常損益における受取配当金などの増加があったものの、青果物単価や畜産物相場の下落による収益減、および将来課税所得の見積り額減少などによる法人税等調整額の増加(繰延税金資産の取り崩し)により、当期剰余金は計画を下回りました。

最重点施策

自然災害・家畜疾病・感染症に対する取組 事業運営・経営管理

全農について