令和3年1~3月期の配合飼料供給価格改定について

令和3年1~3月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和2年10~12月期に対し、全国全畜種総平均トン当り3,900円値上げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。

飼料情勢は以下のとおりです。

1.飼料穀物

とうもろこしのシカゴ定期は、9月上旬には360セント/ブッシェル台であったが、作付期を迎えた南米産地での高温乾燥および中国向けを始めとした米国産とうもろこしへの旺盛な輸出需要により上昇を続け、現在は420セント/ブッシェル台となっている。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは、米国産の輸出需要が増加していることから上昇している。
今後は、引き続き中国向けに旺盛な輸出需要が見込まれることや、南米産地の天候不安により、相場は堅調に推移するものと見込まれる。

2.大豆粕

大豆粕のシカゴ定期は、9月上旬には350ドル/トン台であったが、米国産地での高温乾燥による作柄悪化や、中国による旺盛な需要を背景に米国産大豆の輸出数量が増加したことから10月には400ドル/トン前後まで急騰した。その後も、生育期に入った南米産地での高温乾燥による生育悪化を背景に上昇が続き、現在は420ドル/トン前後となっている。
国内大豆粕価格は、シカゴ定期が上昇していることに加え、国内の搾油需要が低迷しており発生量が減少していることから、大幅な値上がりが見込まれる。

3.海上運賃

米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、8月上旬には45ドル/トン前後で推移していたが、米国の穀物輸送需要が堅調なことで、一時50ドル/トン台まで上昇した。しかし、その後は南米積み穀物輸送需要や中国向けの石炭輸送需要が一段落したことから、現在は45ドル/トン前後で推移している。
今後は、引き続き堅調な穀物輸送需要が予想されることから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれる。

4.外国為替

外国為替は、9月には106円前後で推移していたが、米国の低金利政策が長期化していることや、米国議会でねじれが生じる可能性が高まるなど、米国の政局運営への不安感から円高がすすみ、現在は104円台で推移している。
今後は、新型コロナウイルスのワクチン開発に期待感が高まっているものの、本格的な経済活動の再開には時間を要するとの見方から、相場は現行水準で推移するものと見込まれる。

以上から、外国為替は円高となるものの、とうもろこしのシカゴ定期や大豆粕価格が大幅に値上がりしていることなどから、令和3年1~3月期の配合飼料価格は前期に比べ値上げとなる。