JA全農は、東日本電信電話株式会社(以下「NTT東日本」)と連携し、堆肥センターの生産・流通実態の見える化や、畜産農家と耕種農家とのマッチング機会の創出を目的としたウェブサイト、「耕×畜なび」を開発し、令和5年3月24日に公開しました。
畜産事業から排出される家畜排せつ物の多くは、堆肥化されて農地の土壌改良材や肥料として活用されており、堆肥生産は農家の堆肥舎の他、全国のJAのうち約400カ所(本会調べ)に設置された堆肥センターがその機能を担っています。これまで、生産される堆肥の品質が耕種農家のニーズと合致していない例があることや、散布のための機械や労働力が不足していること、畜産が盛んな地域においては堆肥の過剰在庫が発生していること等、需給のマッチングにおける様々な課題がありました。
また、近年、地球温暖化の進行にともなう気候災害や地政学的リスクによる肥料や飼料の価格高騰・安定供給懸念等の課題が顕在化する中、国内資源の循環利用が急務となっています。なかでも「家畜排せつ物由来の堆肥」の利活用をはかることが、耕種農家(堆肥の需要者)・畜産農家(堆肥の供給者)、双方の経営継続にとって重要となっています。
当サイトでは、耕種・畜産に関わる事業者等がそれぞれの求める堆肥について、原料の畜種や生産量、堆肥の形状等から堆肥センターを検索できる機能が付いています。耕種側と畜産側が連携した資源循環である「耕畜連携」の取り組みを加速させるツールとして活用が期待されます。
ウェブサイトURL:https://ko-chiku.com/
ウェブサイト画面
当サイトは農林水産省の令和3年度補正畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業のうち、畜産環境対策総合支援事業(畜産堆肥流通体制支援事業)を活用し、全国のJAや一部自治体を対象におこなったアンケートや実地調査のデータを反映しています。今後は畜産農家が保有する堆肥舎のデータ蓄積を進め、マッチング機会の創出をはかります。また、新たな機能拡充をはかり、堆肥の利活用を中長期的に推進していく仕組みを構築していきます。
本会はこれからも関係先との連携のもとに耕畜連携の取り組みを推進し、資源循環型社会の構築と食料安全保障の実現に貢献していきます。