海外市場で求められる多様なニーズに応えるため、世界各国に海外拠点の設置を進めてきました。成長を続ける海外市場に対応するため、海外実需者ニーズを国内産地へフィードバックするとともに、国内から海外まで一気通貫させた流通体制を整備しています。国産農畜産物の輸出拡大を通じ、生産基盤の維持・拡大をはかります。
台湾全農インターナショナル(株)は2018年に設立され、日本産農畜産物や加工品を輸入・販売しています。直近では、大手テレビショッピングやスーパーマーケットにて、台湾で人気の高い日本産りんごの販売を強化しています。
大手テレビショッピングで日本産りんごを販売している様子
米国・ブラジル・カナダの関連会社による穀物集荷網の拡充など最適な海外事業体制の構築に取り組んでいます。
1979年に米国ルイジアナ州ニューオーリンズに穀物船積施設を運営する全農グレイン( 株)を設立しました。
また、1988年に米国中西部を中心とした内陸産地で穀物集荷施設を運営するCGBエンタープライズ(株)を買収し、産地から輸出までのサプライチェーンを確立しました。
さらに、2018年に全農グレイン(株)の輸出エレベーターを拡張(年間船積能力約1,800万トン、穀物輸出エレベーターでは世界最大)、2021年には大手穀物メーカーから内陸穀物集荷施設を取得しました。CGBエンタープライズ(株)と合わせて100基を超える穀物集荷拠点を有し、内陸産地から輸出港までのサプライチェーンの強化に取り組んでいます。
全農グレイン(株)(米国)
2017年に現地穀物取扱業者と穀物メジャーとの合弁で穀物集荷・輸出会社ALZ社(アマッジ・ルイドレファス・全農ホールディングス(株))を設立し、穀物調達体制を整備しました。
ALZ社(ブラジル)
2015年に豪州の穀物集荷販売会社グレインコープ社との共同出資により、穀物集荷会社GCC社(グレインズコネクト・カナダ・オペレーションズ(株))を設立しました。さらに、地元穀物取扱業者と輸出施設運営会社FGT社(フレーザー・グレイン・ターミナル(株))をバンクーバー近郊に設立し、2020年12月に船積施設の稼働を開始しました。
FGT社(カナダ)
国際情勢の緊迫度が増し、原料調達は不透明な状況が続いています。国は「経済安全保障推進法」にもとづき肥料を特定重要物資に指定し、りん安・塩化加里を対象に2023年度より備蓄事業を開始しました。本会もこの事業に参画し、国全体の約6割(10万トン)を担っています。備蓄のための拠点を全国各地に確保・整備することにより肥料の安定供給に取り組みます。
塩化加里の保管倉庫
全農が権利保有する農薬について、関連会社ZMクロッププロテクション(株)や海外企業(委託製造会社)と連携し、農薬原体の製造を行い、安定供給に取り組んでいます。また、営農・技術センター農薬研究室では、製造プロセスの改良や品質管理等幅広い活動を通じて、低コストで高品質な農薬原体の安定調達に努めています。
委託製造している海外企業のプラント