持続可能な農業生産の実現には、環境負荷を軽減し、かつトータルコストの低減等によって農業経営に貢献できる技術・資材の普及を進める必要があります。そのため環境調和型農業に資する技術・資材を体系化した「グリーンメニュー」を策定し、モデルJAにおける実践と検証を進めながら、水平展開をはかります。
プラスチック被覆肥料は、春先に1回投入することで成分が徐々に溶け出し、その後の追肥を省くことができる機能的な肥料ですが、肥料の溶出後の殻が、水田から河川を通じて海洋プラスチックの原因になる可能性があります。
全農は、海洋流出防止に向けて、流出防止策の農業者への周知に加えて、減プラ肥料やプラスチックを使用しない緩効性肥料などの普及や生分解性樹脂などによる被覆肥料の開発促進にも取り組んでいます。また、ペースト肥料などの既存技術での代替なども含めて現地実証なども行っています。
流出防止を呼び掛けるチラシ
一般的な肥料袋はポリエチレンを原料としており、使用後は廃プラスチックとして処分されますが、環境負荷低減のため、リサイクルレジン(再生樹脂)を使用した肥料袋の評価試験を実施し、一定の品質を満たすことを確認したことから、2024年度より、リサイクルレジン原料を一部使用した肥料袋を片倉コープアグリ(株)へ供給を開始しました。
生産現場だけではなく流通や消費の場でも持続的な農業の確立に向けて取り組んでいます。
Aコープ店舗でのフードロス低減や農業・食・環境への消費者理解醸成に向けた食農調査や生態調査の実施、JAグループ・全農グループの社会的価値の理解促進に資する広報活動に取り組んでいます。
生産コストを考慮した農産物の適正な販売価格形成の必要性を訴える広告を新聞に掲載
農畜産物の適正価格を一緒に考えてもらうことを
テーマにした「Think Sustainable Price」の広告